[18禁] 逆リョナ小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
 解放を告げる言葉に、その場にいる誰もが不安と安堵の混じった複雑な息を漏らした。
 安心感と、その言葉を鵜呑みにすることはできないという気持ちの入り混じったものだったのだろう。若干ざわめき始めた行内。
 しかし次の言葉で、再び皆に緊張が走った。
「ただし……。二人だけ、人質としてこの場に残ってもらいますので。」
 竹内は、淡々とした口調でそう告げた。
 その場にいる誰もが、動揺を隠し切れないようだった。
 そうしている間にも、外からのスピーカー音声は流れ続けている。
「おう。この女を推薦するぞ。どうせならいい女の方がいいからな。」
 田中は即座に笑顔でそう言うと、未だ気絶した女を庇っている女――飯島結衣を指差した。
「異論がある奴ぁ、この銃の前へ出て来いよぉ。」
 言いながら田中は手に持ったハンドガンで肩を軽く叩いていた。
 楽しそうな声が、その場の空気から完全に浮いている。
「では、そうしましょう。異論のある方は遠慮せずに銃の前へどうぞ。」
 竹内は、相変わらずの冷静な声でそう告げた。
 もちろん、反対する者はなかった。
 名指しされた女は、しばらく身を固くしていたが、やがて一歩前に足を踏み出した。
「……分かりました。」
 周りの人間が、一瞬ざわめく。
「その代わり、私以外の方々の無事を約束してください。すぐに解放を。」
「いえ。要求は二人です。」
 竹内は無感情にそう答えた。
 田中は周りを見回し、誰ともなしに呼びかける。
「二人目の立候補者いねぇのか? 今なら激安サービス付きですよぉ。」
 その場にいる誰もが沈黙し、目を背けた。
「面倒くせえな。じゃあこいつでいいや。」
 田中が指差したのは、先ほど気絶した受付嬢だった。その指名に真っ先に反応したのは結衣だった。
「お願いします。私ならどうなっても構いません。ですから、どうか彼女は……」
「駄目です。」
 その言葉を遮るように、竹内が穏やかだが厳しい口調で言葉を返す。竹内はゆっくりと結衣の方へと歩を進め、結衣の瞳をじっと覗き込んだ。
「これはお遊びではないんです。真剣なんですよ、私たちは。」
 その言葉には有無を言わせぬ強い意志が込められていた。
「もちろん。他に立候補者がいれば話は別ですがね。」
 そう言って竹内は周りを見回す。しかし、やはり誰もその口を開こうとはしなかった。
「……決定、ですね。」
 結衣は脱力したように、その場にへたり込んだ。

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