[18禁] 逆リョナ小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
 小太り男は、竹内の言い分に一応納得したらしい。
 溜息を吐き、現金を詰めている女性銀行員に銃を向けた。
「早くしてね、お嬢ちゃん。おじさんたち、もう時間ないから。」
 震える手を必死で動かしながら、女性銀行員は一つ、また一つと札束をバッグに詰めていく。
 サイレンの音はみるみるうちにここへと近付いてきた。パトカーはとうとう銀行前まで来て停車したようだった。サイレンの音は消え、それはいつしか、ざわざわと慌しく人が動く音へと変わっていた。
「思った以上にお早いお着きで。」
 竹内は皮肉たっぷりにそう呟く。サングラスの中に焦りを隠して。
 ――ここからが本当の勝負だ。
 ここから逃走する手段はいくつも用意してきた。準備も念入りにしてきたつもりではあったが、時間をかければかけるほど実行は困難になってしまうだろう。後数分もすれば、ここは警察によって完全に包囲されてしまう。
 頭の中であらゆるケースを想定し、その対処法を考える。内心の焦りとは逆に、頭は冴えていくようだった。
 対照的だったのは、小太り男の態度だ。彼は焦りを全く隠すことができない様子だった。女性銀行員に何度も罵声を浴びせ、必死で急かす。しかし、その度に女は萎縮し、却って動きを遅めてしまっているようだった。
「ご、ごめんなさい。今すぐに。今すぐ……」
 その言葉とは裏腹に彼女の手はますます震え、とうとうバッグを落としてしまった。
「何してんだよ! ふざけてんのか、てめえ!」
 小太り男が顔を真っ赤にして叫ぶ。
「ごめんなさい……すぐに……」
 女性銀行員の言葉は男の耳には届いていないようだった。業を煮やした小太り男は勢いよく彼女のところへと迫っていった。
「お前、ナメてんだろ?」
「あ……うっ……」
 小太りは持っていたハンドガンの銃底で、女性銀行員を殴り飛ばした。女は勢いよく床に頭を打ちつけ、倒れ込んだ。息はあるが、気を失ったようだった。
 竹内は眉を顰めた。
 ――チッ、小者が。
 小太り男――田中とは金で繋がった悪党仲間だが、この小心ぶりとキレやすさには辟易する。
 竹内は田中を相棒に選んだことを、早くも少し後悔していた。
 田中は女の落としたバッグを拾い上げると、自ら残りの現金を手際よくバッグに放り込んでいく。一分と経たないうちに、二つのバッグは現金でいっぱいに膨れ上がっていた。
「こんなもんだな。」
「よし、急ぐぞ。」
 二人が今にもその場を立ち去ろうとしている矢先、その声は聞こえてきた。
「犯人に告ぐ。君たちは完全に包囲されている。速やかに人質を解放し、出てきなさい。」
 スピーカーを通した無機質で事務的な声が、行内に響き渡った。

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コメント
この記事へのコメント
お久しぶりです。
今回はもしかして、男性側が責めですか!?
なんだか昔の梅川事件を思い起こす
シチュエーションに・・
女性が責めだとしたら、ここからどのように女性責めに繋がっていくのかが楽しみです・・
2008/02/02(土) 13:25 | URL | けろ #-[ 編集]
ご無沙汰しています。
けろさん、コメントありがとうございます。
梅川事件について調べてみました。
こんな事件が実際にあったんですね。浅学ゆえ、全く知りませんでした。
責めについてはご心配なく。コンセプトから外れたことはいたしませんので(笑)
楽しみにしていただけて、大変嬉しく思います。
今後もどうぞお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。
2008/02/03(日) 23:55 | URL | ryonaz #mLlZp4Zg[ 編集]
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