{
2007/03/12(月) }
目が慣れてくるに従って、そこに現れた人物の姿が顕わになった。
そしてそのことが、俺をさらなる混乱に招き入れることになった。
「信二!!」
俺は思わず声を上げた。
「お前……死んだはずじゃ? 何で?」
「おいおい。俺を勝手に殺すなよ。はは、いい姿だな、竜崎。」
「どういうことだ?……復讐に行ったんじゃ……」
「復讐? あぁ、行ったよ。ほら、そこにいる俺の彼女がね。」
……俺は絶句した。
「あれ、言わなかったっけ? 強姦されたのは二人だったんだ。」
信二は昨日の夕食のメニューでも話すかのように、あっけらかんと言った。
呆然とする俺をあざ笑うかのように、優美子は付け加えた。
「姉が奴らに殺された時、私もそこにいたの。」
そう、犯された信二の彼女……それは紛れもない、優美子だったのだ。
その時唐突に、一度だけ見かけた信二の彼女の顔が脳裏に浮かんできた。
遠目にも美しかったその瞳、鼻、口は、確かに目の前の女性がもっているものだった……
「彼が言うにはね、あなたは私の復讐をしに行って死んだんだって。信二がそんなかっこいい彼氏だったらよかったのにね。」
優美子は笑った。
「はは、いいじゃないか。あの時はすぐ妊娠してないって分かったんだからさ。でも俺がそんなお前のために復讐なんて……美談だよなぁ。」
……事の真相を悟った俺は、目の前が真っ暗になった。絶望と失望……虚無感……
彼女もまた姉と同様、強姦の被害者だったのだ。
姉は殺され、妹――優美子――は助かった。そして復讐した……
「教えてくれ……どうして……どうしてこんなことを……?」
「楽しいからよ。」
俺の問いに、彼女はあっさりと答えた。
「正当防衛でしょ……正義という名目をかざした虐待に快楽を覚えたってところかな。」
彼女が小首をかしげて笑いかける。
「言ったでしょ。私も『正義』って言葉が一番好きだったって。」
俺は脱力し、闇に隠れて見えない体育館の天井をただ見つめるしかなかった。
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そしてそのことが、俺をさらなる混乱に招き入れることになった。
「信二!!」
俺は思わず声を上げた。
「お前……死んだはずじゃ? 何で?」
「おいおい。俺を勝手に殺すなよ。はは、いい姿だな、竜崎。」
「どういうことだ?……復讐に行ったんじゃ……」
「復讐? あぁ、行ったよ。ほら、そこにいる俺の彼女がね。」
……俺は絶句した。
「あれ、言わなかったっけ? 強姦されたのは二人だったんだ。」
信二は昨日の夕食のメニューでも話すかのように、あっけらかんと言った。
呆然とする俺をあざ笑うかのように、優美子は付け加えた。
「姉が奴らに殺された時、私もそこにいたの。」
そう、犯された信二の彼女……それは紛れもない、優美子だったのだ。
その時唐突に、一度だけ見かけた信二の彼女の顔が脳裏に浮かんできた。
遠目にも美しかったその瞳、鼻、口は、確かに目の前の女性がもっているものだった……
「彼が言うにはね、あなたは私の復讐をしに行って死んだんだって。信二がそんなかっこいい彼氏だったらよかったのにね。」
優美子は笑った。
「はは、いいじゃないか。あの時はすぐ妊娠してないって分かったんだからさ。でも俺がそんなお前のために復讐なんて……美談だよなぁ。」
……事の真相を悟った俺は、目の前が真っ暗になった。絶望と失望……虚無感……
彼女もまた姉と同様、強姦の被害者だったのだ。
姉は殺され、妹――優美子――は助かった。そして復讐した……
「教えてくれ……どうして……どうしてこんなことを……?」
「楽しいからよ。」
俺の問いに、彼女はあっさりと答えた。
「正当防衛でしょ……正義という名目をかざした虐待に快楽を覚えたってところかな。」
彼女が小首をかしげて笑いかける。
「言ったでしょ。私も『正義』って言葉が一番好きだったって。」
俺は脱力し、闇に隠れて見えない体育館の天井をただ見つめるしかなかった。
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