{
2007/03/11(日) }
「ふふ……」
優美子は俺に視線を向けたまま、すでに自分一人の力では立ち上がることすらできない俺の両脇を抱え、持ち上げ、体育館の壁にたてかけた。
朦朧とする意識で目の前に映ったのは藤村と小倉の無残な姿……そして、頭の中には信二がいた。
――すまない。すまない。俺には……もうどうしようもない……
そう思えたことに、自分自身信じられない思いだった。
なぜなら、もうすでに俺の中には「恐怖」しか残っていないと思っていたからだ。
いや、これが俺に残った……最後の理性だったのだろう……
――怖い……怖い……怖い……怖い……怖い……
突然、体育館の扉が開かれた。そこに現れたのが誰なのかは分からなかった。
無理もないだろう。気付けば体育館を赤々と照らしていた夕日は既に沈み、暗闇に覆われていたのだ。
「優美子。優美子、いるんだろ?」
何故だろう? その声には聞き覚えがあった。
「あ、来たの? やっぱり場所教えなければよかったかな。」
……意外だった。優美子はその人物を即座に判別したのだ。
何よりそこに現れたのが、優美子の知り合いであるということに絶望感を抱いた。
俺は縋りたかった……。誰でもいい……助けてほしい……
暗闇に浮かんだその顔は、俺にはまだ見て取れなかった。
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優美子は俺に視線を向けたまま、すでに自分一人の力では立ち上がることすらできない俺の両脇を抱え、持ち上げ、体育館の壁にたてかけた。
朦朧とする意識で目の前に映ったのは藤村と小倉の無残な姿……そして、頭の中には信二がいた。
――すまない。すまない。俺には……もうどうしようもない……
そう思えたことに、自分自身信じられない思いだった。
なぜなら、もうすでに俺の中には「恐怖」しか残っていないと思っていたからだ。
いや、これが俺に残った……最後の理性だったのだろう……
――怖い……怖い……怖い……怖い……怖い……
突然、体育館の扉が開かれた。そこに現れたのが誰なのかは分からなかった。
無理もないだろう。気付けば体育館を赤々と照らしていた夕日は既に沈み、暗闇に覆われていたのだ。
「優美子。優美子、いるんだろ?」
何故だろう? その声には聞き覚えがあった。
「あ、来たの? やっぱり場所教えなければよかったかな。」
……意外だった。優美子はその人物を即座に判別したのだ。
何よりそこに現れたのが、優美子の知り合いであるということに絶望感を抱いた。
俺は縋りたかった……。誰でもいい……助けてほしい……
暗闇に浮かんだその顔は、俺にはまだ見て取れなかった。
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