{
2007/12/20(木) }
舐めながら俺は、彼女の顔をちらりと覗き見る。本当に嬉しそうな笑顔がそこにはあった。
「うぅ……徹くん……」
俺は彼女が好きだ。あらためてそう自覚する。彼女のためなら、こんなの大したことではない。
「うん、美味い! さすが由梨だな。」
精一杯の褒め言葉だ。実際、彼女の作ったケーキは美味しかった。料理上手な彼女に惚れ直す。自分の間抜けな格好はだんだんと気にならなくなっていた。
「あ、そっちにもついちゃってる。あぅ、あっちにも。えぇん、そっちにもー。」
「い、いや、ちょっと待って。」
彼女の指示の早さについていけない。しかし、彼女は言いながらどんどんと涙声になっていく。
「うぅ。徹くんのウソツキ! 全部食べてくれるって……うっ……言ったのに……」
「あ、いや、だから、ちゃんと食べるって。食べ……ぐぼっ!」
彼女の足の裏の感触を感じる。気付けば頭をぐいと押さえつけられていた。それを理解した矢先、彼女はその足で俺の頭を何度も踏み付け始めた。
「食べてくれるって。食べてくれるってー! ウソツキー!」
ガンガンと頭を踏み付けられ、俺は為す術を失っていた。彼女の涙声がどんどんと激しくなっていく。俺は彼女を落ち着けようと、打ち付けられる痛みに耐えながら出来るだけ冷静に応えた。
「あぁ……。ちゃんと食べるよ……ごほっ。だから、安心しろ、由梨。」
おそらくケーキと鼻血でベトベトになっているであろう顔を由梨に向け、微笑んでみせる。
「……徹くん。」
彼女は幾分落ち着き、いつもの可愛らしい笑顔を見せる。
それを見て安心した俺は再度、躊躇なく散らばったケーキと生クリームを食べ続けた。
「あ!」
丁度半分くらい食べ終えた頃だろうか。急に彼女が声を上げた。
「どうした?」
「あの……実は蝋燭も買ってあったの。すっかり忘れちゃってて。ごめんね……」
彼女の瞳が再び潤む。俺は彼女の、この感情表現の豊かなところが大好きだ。
「じゃあ、せっかくだからな。今からでも持って来いよ。」
優しい口調でそう答える。彼女の顔に笑顔が戻ると、俺はまた嬉しい気持ちでいっぱいになる。「やったー」と子どものように跳びはねていく彼女の後姿は本当に愛らしい。そんな幼さの残る彼女だからこそ、そこから溢れる何とも言えない独特の艶かしさが、却って俺の欲情を掻き立てる。
間もなく彼女は、その小さな手に溢れんばかりの蝋燭を持ってきた。
「これこれ。えへへ。」
ケーキ用の、細くてねじれたカラフルな蝋燭だ。嬉しそうにそれらを束ね、カチカチとチャッカマンを鳴らす。しばらくすると、蝋燭が燃える音が俺の耳に聞こえてきた。
「あぐっ!」
首筋に痛みのようなものが走る。触ってみると、それは蝋であった。
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「うぅ……徹くん……」
俺は彼女が好きだ。あらためてそう自覚する。彼女のためなら、こんなの大したことではない。
「うん、美味い! さすが由梨だな。」
精一杯の褒め言葉だ。実際、彼女の作ったケーキは美味しかった。料理上手な彼女に惚れ直す。自分の間抜けな格好はだんだんと気にならなくなっていた。
「あ、そっちにもついちゃってる。あぅ、あっちにも。えぇん、そっちにもー。」
「い、いや、ちょっと待って。」
彼女の指示の早さについていけない。しかし、彼女は言いながらどんどんと涙声になっていく。
「うぅ。徹くんのウソツキ! 全部食べてくれるって……うっ……言ったのに……」
「あ、いや、だから、ちゃんと食べるって。食べ……ぐぼっ!」
彼女の足の裏の感触を感じる。気付けば頭をぐいと押さえつけられていた。それを理解した矢先、彼女はその足で俺の頭を何度も踏み付け始めた。
「食べてくれるって。食べてくれるってー! ウソツキー!」
ガンガンと頭を踏み付けられ、俺は為す術を失っていた。彼女の涙声がどんどんと激しくなっていく。俺は彼女を落ち着けようと、打ち付けられる痛みに耐えながら出来るだけ冷静に応えた。
「あぁ……。ちゃんと食べるよ……ごほっ。だから、安心しろ、由梨。」
おそらくケーキと鼻血でベトベトになっているであろう顔を由梨に向け、微笑んでみせる。
「……徹くん。」
彼女は幾分落ち着き、いつもの可愛らしい笑顔を見せる。
それを見て安心した俺は再度、躊躇なく散らばったケーキと生クリームを食べ続けた。
「あ!」
丁度半分くらい食べ終えた頃だろうか。急に彼女が声を上げた。
「どうした?」
「あの……実は蝋燭も買ってあったの。すっかり忘れちゃってて。ごめんね……」
彼女の瞳が再び潤む。俺は彼女の、この感情表現の豊かなところが大好きだ。
「じゃあ、せっかくだからな。今からでも持って来いよ。」
優しい口調でそう答える。彼女の顔に笑顔が戻ると、俺はまた嬉しい気持ちでいっぱいになる。「やったー」と子どものように跳びはねていく彼女の後姿は本当に愛らしい。そんな幼さの残る彼女だからこそ、そこから溢れる何とも言えない独特の艶かしさが、却って俺の欲情を掻き立てる。
間もなく彼女は、その小さな手に溢れんばかりの蝋燭を持ってきた。
「これこれ。えへへ。」
ケーキ用の、細くてねじれたカラフルな蝋燭だ。嬉しそうにそれらを束ね、カチカチとチャッカマンを鳴らす。しばらくすると、蝋燭が燃える音が俺の耳に聞こえてきた。
「あぐっ!」
首筋に痛みのようなものが走る。触ってみると、それは蝋であった。
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