[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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 ハート型のクッションが可愛らしいと思った。
 彼女の家に入ったのは、今日が初めてのことだった。窓の外には雪がちらつき、忙しなく流れる人の群れはそれぞれの目的をもって互いに交錯していく。そんなイヴの夜の景色は何となく神秘的に感じられるから不思議なものだ。
 凍えるような街並みに比べ、ここはまさに異世界だった。クリスマスに合わせて彩られた、いかにも女の子らしい部屋。暖房の効いた温かいこの部屋で、彼女と二人きり。
 俺は内心、緊張と期待で胸が張り裂けそうになっていた。
「リラックスしてね。」
 彼女が遠くの方で俺に声をかけているらしい。耳の奥でかすかに返答を求められている感覚だけが俺の脳に伝わってくる。しかし、俺はその言葉の意味すらも掴めない。
「あ、あぁ……」
 気の抜けた返事をする。それほど、俺の心は緊張を露にしていた。
「ジャジャジャジャーン! 由梨、お手製のクリスマスケーキなのだー!」
 彼女が元気よくケーキを運んでくる。
 その姿が視界に入った時、俺は夢見心地だった自分の心が一瞬にして覚醒されるのを感じる。鮮やかな赤と白のコントラストが効いたサンタの衣装。それは膝上までで途切れ、そこからは彼女の生足が覗いていた。両耳には、雪の結晶を象った小さなピアスが揺れている。小さく幼さの残る彼女のスタイル。身に着けた衣装がそれを目一杯活かし、彼女の魅力を引き出しているようだった。
 俺は無意識のうちに彼女の姿に目を奪われていた。しばし放心状態にも似た感覚を味わう。
 ――可愛い……
 素直にそう思った。それを自覚した時、俺はさっきまでの緊張した心が幾分解されていくような思いがした。そして、さっきまでとはまた違った緊張が俺の中に渦巻く。股間が熱くなってくる感覚に多少の罪悪感を覚えながら、俺は精一杯元気な声で、彼女に応えた。
「ありがとう。楽しみだよ。」
 返事をすることで、いくらか心に余裕が生まれる。微笑ましく見つめる俺の方に歩を進めながら、彼女は嬉しそうに言葉を続ける。
「あ、はは。味の保証はできないけ……わぁっ!」
 ……その時、俺の視界は一瞬にして失われた。何が起こったのか分からず、俺は一生懸命思考を働かせる。
「あああっ! ご……ごごご……ごめん、徹くん。」
 彼女の謝る声。
 どうやら彼女が足を滑らせ、俺の顔にケーキが勢いよく飛んできた、ということらしい。それを理解した時、俺は平静を装って彼女に精一杯の優しい言葉をかける。
「いや、はは。仕方ないよ。でもせっかくのケーキが、これじゃ台無しだな。」
 目元を手で拭いながら、視界を取り戻そうとする。
 しばしの沈黙が二人の間を抜けていった。その後、おずおずと彼女が口を開く。
「食べて……くれる?」
 とんでもないその言葉に耳を疑う。しかし彼女の声は、とてつもなく可愛らしいものだった。

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