[18禁] 逆リョナ小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
「マナ……」
 突然ショートネームを呼ばれ、僕は意識が覚醒させられた。
「……はい。」
 僕は掠れた声で応える。『……逝っちゃ駄目よ……』という女性の言葉が脳裏を過ぎる。きっと「いく」というのはこのことだったのだと直感する。僕は必死で謝った。許しを乞うた。
 ――僕は取り返しのつかないことをしてしまった。女性の命令に背いて……
 自己嫌悪に陥り、僕はしばらく身体の震えが止まらなかった。女性はそんな僕の肩に軽く手を乗せると、腹に思いきり膝蹴りを見舞った。その強烈な蹴りは僕の内部を破壊した。胃の中から込み上げてくるものを僕は吐き出した。地面が再び赤く染まった。
 女性はそんな僕の姿を見ると、その手を肩から頬へと静かに動かし、僕に語りかけた。
「あなたを、私の玩具にするから。」
 願ってもない言葉だった。それは、つまり女性が僕を認めてくれたということ。そう考えて間違いはないのだろうか。
 女性が手元にある発信機で外部へ連絡をしようとする。
「ま……待ってください!」
 僕は声を振り絞った。女性が手を止める。
「ぼ……僕は、その……」
 この女性に仕えたい。玩具として、この女性にもらってほしい。その気持ちに偽りはなかった。ただ一つ、僕にはどうしても心に引っかかっていることがあった。
「僕には……その資格がありません。」
 女性に意見をすること。それは許されざるべき行為だ。僕はこれで二度、この女性に意見をした。本当に罰当たりだ。この身がどうなっても文句は言えない。でも……
 女性は真剣な眼差しで僕の目を見つめている。
「僕は……あなたにもらわれたくて来たんじゃないんです。」
 僕はありのままを告白した。考えてみれば、最初から僕の動機は不純だった。外に出たい。ただその願いを叶えるために、僕はこの女性を……
 女性は俯いたままの僕をひしと抱きしめた。柔らかい肌の感触。我を忘れてしまうほどの心地よい、素敵な香り。それらの全てが僕を包み込んだ。
「あなたみたいな子を探してたの。これからもあなたで遊ぶわ。マナ。」
 優しく、温かい言葉に僕の心は洗われるようだった。
「全部知ってたの。全部。もう、そんなこと気にしなくていいのよ。」
 忘れていた。あの呼び出しの日のことを、この女性は全て知っていたんだ……
「じゃあ、それを知ってて……僕を……」
 女性はにっこりと笑って僕の頭を撫でた。
 救われた気がした。心に引っかかっていた棘が全て抜けていくような、そんな感覚が僕の全身を覆った。僕は泣いた。声を出して泣いた。大声で泣いた。

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