{
2007/11/16(金) }
その日。僕は朝から緊張していた。
いつ呼び出しがかかるのかと、ランプを見たり目を逸らしたりを繰り返している。
どれくらいの時間が経っただろう。
とうとう僕の部屋のランプが点滅を始める。ついにその時がやってきたのだ。
僕の心臓がはち切れんばかりに、大きく脈打つのが感じられる。
『A-ZUK-0165 第8号棟5F Zルームへ』
既に身嗜みを整え、何度も鏡でチェックをした。精神を統一するようにできる限り努めてきた。
――行かなきゃ……
しかし、いざとなるとなかなか部屋の扉を開けることができない。
僕は自分の意志を再度確認する。
「大きな空が、見たい。絶対、見たい。」
声に出して呟き、僕は勢いよく部屋の扉を開けた。
Zルームのドアの両脇では、銃を脇に抱えた二人の軍服姿の人間が見張りをしていた。
「入れ。」
僕は指示されるままに、部屋のドアを開けた。
中に入ると、入口にいたのと同じ軍服姿の人間が十名ほど、部屋を囲んで待機していた。
僕はその威圧感に耐えるのに必死だった。
全てが真っ白なここZルーム。この部屋の奥は少し段が高くなっており、薄いヴェールで仕切られていた。こちらから向こうの様子は全く見えない。
――あの向こう側に……女性が?
鼓動が激しく脈打つ。
あれほどまでに憧れを抱いていた女性と同じ空間に、僕はいる。
そう考えただけで、僕は頭に血が上ってくらくらとしてきていた。
映写機でしか見たことのない、神秘的な存在。それが、今まさにヴェールを隔てた向こう側に……
心臓の音が周りに聞こえそうだと思った。
軍服の人にヴェールの前まで移動するよう促される。しかし僕は緊張で足が震え、立っているのがやっとだった。どうしても最初の一歩を踏み出すことができない。
「失礼な奴だ。A-ZUK-0165。これで面会終了とするか?」
僕は慌てて大きく首を横に振る。しかし、足がどうしても動かない。しばらく待ってもらうも、僕はその場に立ち尽くすのがやっとだった。
「A-ZUK-0165。これにて面会終了。」
目の前が真っ暗になった。軍服の人二人が僕を両脇から抱え、ドアの方へと連れて行く。
――ま……待って! 待って! もう少し……
しかしその思いは声にはならなかった。
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いつ呼び出しがかかるのかと、ランプを見たり目を逸らしたりを繰り返している。
どれくらいの時間が経っただろう。
とうとう僕の部屋のランプが点滅を始める。ついにその時がやってきたのだ。
僕の心臓がはち切れんばかりに、大きく脈打つのが感じられる。
『A-ZUK-0165 第8号棟5F Zルームへ』
既に身嗜みを整え、何度も鏡でチェックをした。精神を統一するようにできる限り努めてきた。
――行かなきゃ……
しかし、いざとなるとなかなか部屋の扉を開けることができない。
僕は自分の意志を再度確認する。
「大きな空が、見たい。絶対、見たい。」
声に出して呟き、僕は勢いよく部屋の扉を開けた。
Zルームのドアの両脇では、銃を脇に抱えた二人の軍服姿の人間が見張りをしていた。
「入れ。」
僕は指示されるままに、部屋のドアを開けた。
中に入ると、入口にいたのと同じ軍服姿の人間が十名ほど、部屋を囲んで待機していた。
僕はその威圧感に耐えるのに必死だった。
全てが真っ白なここZルーム。この部屋の奥は少し段が高くなっており、薄いヴェールで仕切られていた。こちらから向こうの様子は全く見えない。
――あの向こう側に……女性が?
鼓動が激しく脈打つ。
あれほどまでに憧れを抱いていた女性と同じ空間に、僕はいる。
そう考えただけで、僕は頭に血が上ってくらくらとしてきていた。
映写機でしか見たことのない、神秘的な存在。それが、今まさにヴェールを隔てた向こう側に……
心臓の音が周りに聞こえそうだと思った。
軍服の人にヴェールの前まで移動するよう促される。しかし僕は緊張で足が震え、立っているのがやっとだった。どうしても最初の一歩を踏み出すことができない。
「失礼な奴だ。A-ZUK-0165。これで面会終了とするか?」
僕は慌てて大きく首を横に振る。しかし、足がどうしても動かない。しばらく待ってもらうも、僕はその場に立ち尽くすのがやっとだった。
「A-ZUK-0165。これにて面会終了。」
目の前が真っ暗になった。軍服の人二人が僕を両脇から抱え、ドアの方へと連れて行く。
――ま……待って! 待って! もう少し……
しかしその思いは声にはならなかった。
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