[18禁] 逆リョナ小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
 僕がCルームに入った時には、既に十人ほどの人が先に並んで待機していた。
 口を開く者は一人もいない。もちろん僕と一緒や、その後に入ってきた男たちもまた同様だ。ざっと見渡したところ、呼ばれた中では僕が最年少のようだった。
 Cルームには、担当の人間らしい人物が四、五名ほどいた。僕とそれ以外の人たちは横一列に整列し、その人たちの前に対峙した。一人の担当官が一歩前に出る。
「お前たちは、審査対象に選考された。」
 審査の噂は、何度か耳にしたことがあった。本当にあったのか。
 青い空。海や川などの綺麗な水場。人工的ではない緑、自然。そして、恋愛と……自由と……。
 以前に聞いた老人の話を思い出しながら、僕は希望に胸を膨らませていた。
 そんな夢にまで見た外の世界が、もう少しで手に届く。
 僕は緊張しながら、担当官の説明を聞いていた。
 センターから出る方法は三つだけあるらしい。
 一つ、政府の祭典。もちろん男性全員ではなく、ほんの一握りの人間。
 二つ、特殊な仕事。例えばセンターの管理人になるなど、特別な職務に就く場合。
 三つ、女性からの要望。
「例外は存在しない。」
 担当官はそう言って、僕たちを厳しく睨み付けた。その目に威圧され、僕は小さく身震いした。
「今回は……」
 もったいぶった口調で、担当官が告げる。
「女性がお前たちの品定めに来られる。」
 鼓動が、周りに聞こえてしまうのではないかと思った。
 ――女性と会える……?
 僕の胸は高鳴り、緊張を隠せなかった。
 担当官は、当日の心構え、審査の期日等を告げて、Cルームを出ていった。
 僕は足の震えが止まらず、しばらくその場を動けなかった。他の者も、ルームを離れようとはしなかった。


 十分も経つと、一人二人と内緒話をする者が出てきた。
 ルーム内がにわかにざわつく。
 その中で、一人の青年が大きく声をあげた。
「お前ら……ここから出たいか?」
 ここから出たいか……。そんなの答えは決まっている。けれど、僕は「出たい」と口に出来ずにいた。なぜなら、ここから出ることを表立って言うことは、ずっと禁止されていたからだ。男は一生センター内で暮らすのが当たり前のこの世界で、禁忌とされていた言葉だ。
 問いかけたその青年が、大きな溜息を吐く。
「みんな、弱虫だな……。」
 自分の弱さを見透かされ、僕は恥ずかしくなった。あれだけ、外の世界に出たいと願って生きてきたのに。

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