{
2007/10/27(土) }
冷水が身体に叩きつけられ、私は目を覚ました。
気付くと柱に後手で括り付けられ、足首にもロープが固く巻きつけられていた。体育座りのような格好で、身動き一つ取れない状況だった。
「ううっ……」
当身を受けた腹が痛む。込み上げてくる吐き気を堪えながら、何とか正気を取り戻そうとする。目の前には紗希の姿があった。
柳本紗希。端正な顔立ちでボブカットがよく似合う。クラスの中では小柄な方で、それほど目立つ存在ではない。感情を表に出すことが少なく、いつも冷静に物事を見ている。前回の騒動に関与していたという話も聞かない。成績は学年トップだ。
自分の中にある紗希のデータを思い起こす。そのデータと、今私の目の前にいる紗希との人物像には明らかな隔たりがあった。ましてこの突然の凶行。紗希? ……どうして……
とにかく今は、どうしてこんなことをしたのか紗希に聞く必要がある。
「柳本。これは……どういうことだ!」
努めて冷静に、しかし口調だけは強めて問い詰める。
彼女は口元に冷笑を浮かべながら、黙っていた。私を観察するように、私の全身を舐めるように見回していた。
「おい! こんなことして、冗談じゃ済まないぞ。」
再度、さらにきつい口調で紗希に言葉をぶつける。
紗希は相変わらず笑みを絶やさず、じっと私を見つめている。
「……え……!?……」
自分の異変に気付いたのはその時だった。私は身包みを全て剥がされ、全裸にされていたのだ。羞恥心から私は思わず身体を縮めようとする。しかし当然、それは無意味だった。手足を縛られているため、実際には身体が少しだけ内側に折れただけだった。心許ない感情が湧き上がり、自分の頬が赤く染まっていくのが分かる。
「何ですか、先生。何か言いたいことがあったんじゃないんですか?」
紗希はあざ笑うように私に声をかける。
「く……」
私は言葉を失う。自分が今こうしてみっともない姿を晒しているのだと思うと、とても冷静ではいられなかった。教師としてではなく、あくまで一人の人間としての羞恥心。こんなに恥ずかしい思いをすることに、私はとても耐え切れなかった。
「た……頼む、柳本。服を返してくれ。お……お願いだ!」
紗希は、私を縛り付けている柱の周りをゆっくりと回った。じっと私の身体を見ながら。そして、ポツリと呟いた。
「先生。童貞って、本当ですか?」
その口元は弓なりに曲がっていた。私は彼女の表情に怖気立った。
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気付くと柱に後手で括り付けられ、足首にもロープが固く巻きつけられていた。体育座りのような格好で、身動き一つ取れない状況だった。
「ううっ……」
当身を受けた腹が痛む。込み上げてくる吐き気を堪えながら、何とか正気を取り戻そうとする。目の前には紗希の姿があった。
柳本紗希。端正な顔立ちでボブカットがよく似合う。クラスの中では小柄な方で、それほど目立つ存在ではない。感情を表に出すことが少なく、いつも冷静に物事を見ている。前回の騒動に関与していたという話も聞かない。成績は学年トップだ。
自分の中にある紗希のデータを思い起こす。そのデータと、今私の目の前にいる紗希との人物像には明らかな隔たりがあった。ましてこの突然の凶行。紗希? ……どうして……
とにかく今は、どうしてこんなことをしたのか紗希に聞く必要がある。
「柳本。これは……どういうことだ!」
努めて冷静に、しかし口調だけは強めて問い詰める。
彼女は口元に冷笑を浮かべながら、黙っていた。私を観察するように、私の全身を舐めるように見回していた。
「おい! こんなことして、冗談じゃ済まないぞ。」
再度、さらにきつい口調で紗希に言葉をぶつける。
紗希は相変わらず笑みを絶やさず、じっと私を見つめている。
「……え……!?……」
自分の異変に気付いたのはその時だった。私は身包みを全て剥がされ、全裸にされていたのだ。羞恥心から私は思わず身体を縮めようとする。しかし当然、それは無意味だった。手足を縛られているため、実際には身体が少しだけ内側に折れただけだった。心許ない感情が湧き上がり、自分の頬が赤く染まっていくのが分かる。
「何ですか、先生。何か言いたいことがあったんじゃないんですか?」
紗希はあざ笑うように私に声をかける。
「く……」
私は言葉を失う。自分が今こうしてみっともない姿を晒しているのだと思うと、とても冷静ではいられなかった。教師としてではなく、あくまで一人の人間としての羞恥心。こんなに恥ずかしい思いをすることに、私はとても耐え切れなかった。
「た……頼む、柳本。服を返してくれ。お……お願いだ!」
紗希は、私を縛り付けている柱の周りをゆっくりと回った。じっと私の身体を見ながら。そして、ポツリと呟いた。
「先生。童貞って、本当ですか?」
その口元は弓なりに曲がっていた。私は彼女の表情に怖気立った。
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