{
2007/10/22(月) }
男の刑事二人が取調室に入ってきたのは、その時だった。
「お、終わったんか。自白はしたんかいな?」
「終了なら、報告せないかんな。」
二人の言葉は凛の頭にはしばらく入ってこなかった。ぼうっと気が抜けたように立ち尽くす。それは、これまで凛が見せたことのない、気力を失った表情であった。
「……自白……終了です。」
そう一言だけ告げる。凛は涙を拭い、男の身体をそっと抱きしめた。
刑事たちは何が何やら分からず、ただしばらくの間、凛と男を交互に見回すことしかできなかった。
人を愛するということ。己の中の正義を守るということ。
プライベートの時間。職務を全うする使命。
凛は自分の中のさまざまな思いと向き合い、心に深く刻んだ。
この世に犯罪は尽きない。
本日も、また新たな容疑者が連れて来られている。彼女の仕事は、拷問し、自白させること。
凛は、取調室の扉を開けた。
容疑者に対し、淡々と挨拶した。
「担当の瀬川凛です。よろしくお願いします。」
深々と頭を下げる。
容疑者は凛を見て、驚きの声を上げた。
「あ…あれ? お前、凛じゃないか! わかるだろ、兄貴だよ。助けてくれよ!」
凛はそれには答えず、男の喉元に手をかけた。
「なぁ、凛……冗談だよな?」
凛には既に迷いはなかった。
END
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「お、終わったんか。自白はしたんかいな?」
「終了なら、報告せないかんな。」
二人の言葉は凛の頭にはしばらく入ってこなかった。ぼうっと気が抜けたように立ち尽くす。それは、これまで凛が見せたことのない、気力を失った表情であった。
「……自白……終了です。」
そう一言だけ告げる。凛は涙を拭い、男の身体をそっと抱きしめた。
刑事たちは何が何やら分からず、ただしばらくの間、凛と男を交互に見回すことしかできなかった。
人を愛するということ。己の中の正義を守るということ。
プライベートの時間。職務を全うする使命。
凛は自分の中のさまざまな思いと向き合い、心に深く刻んだ。
この世に犯罪は尽きない。
本日も、また新たな容疑者が連れて来られている。彼女の仕事は、拷問し、自白させること。
凛は、取調室の扉を開けた。
容疑者に対し、淡々と挨拶した。
「担当の瀬川凛です。よろしくお願いします。」
深々と頭を下げる。
容疑者は凛を見て、驚きの声を上げた。
「あ…あれ? お前、凛じゃないか! わかるだろ、兄貴だよ。助けてくれよ!」
凛はそれには答えず、男の喉元に手をかけた。
「なぁ、凛……冗談だよな?」
凛には既に迷いはなかった。
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