[18禁] 逆リョナ小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
 一年前の、義務教育最後の夏。

 その日はこの夏一番の猛暑だった。
 セミの鳴き声が、蒸した空気を強調するかのように教室中に鳴り響いていた。
 公立の中学校は既に夏休みの真っ最中だ。それは、ここ私立麻美大嶋学園中等部も同じであった。
 ただ、優等生学校と名高いエスカレーター式のこの学園では、夏休みの三分の二は夏期講習のため、登校する生徒がいる。
 受験まで残り数ヶ月となり、生徒たちは毎日学習に励んでいた。暑い中、汗を滲ませる生徒たちの姿が、教室内に散らばっていた。
 いつもと変わらぬチャイムの音。講義を行う教師。
 セミの声は却って教室内の静寂を際立たせ、生徒たちが鉛筆をカリカリと走らせる音が幾重にも重なって聞こえていた。


 セミの声がひぐらしの声に変わる頃。
 あれほどまでに教室中を蒸し返らせた太陽も、今は赤々と神々しい光を教室に届けている。
 講習はとっくに終わっていたが、教室にはまだ一人の男子が残っていた。
 課題の一部が解けなかったため、一人で居残りで補習をしていたのだ。とは言え、教師が個別に指導をしているわけではなかった。彼はこの課題を自力で解いて、教師から合格がもらえるまでは帰れないことになっていたのだ。
 しかし、彼はそんな状況であるにもかかわらず、机には向かっていなかった。それどころか、教室中の机は椅子とともに全て教室の後ろへと移動されていた。彼はがら空きになった教室の真ん中に、ただぽつりと立っていたのだった。
 なぜなら……その時教室に残っていたのは、彼一人ではなかったのだから……

 伏し目がちにしていた目を上げ、上目遣いに彼は周囲をぐるりと見回した。十人ほどだろうか。それぞれに冷笑を浮かべた女子たちが彼を見下すようにして、彼の周りを取り囲んでいたのだ。
 それはまるで、彼を中心にコンパスでグルリと円を描いたような図だった。
 皆、夏服のセーラー服に身を包んでいた。女子たちの目はまるで獲物を前にした肉食動物のように、ギラギラと輝いていた。

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コメント
この記事へのコメント
良いところで…また明日のお楽しみですか。焦らしますねー(笑)

新作期待。気負わない程度に頑張ってくださいねo(^-^)o
2007/09/22(土) 01:30 | URL | やん #-[ 編集]
どうもです。
はい。焦らしていきますよ(笑)
いつもお気遣いのコメント、ありがとうございます。
ご期待に応えられたら幸いです。
2007/09/22(土) 02:41 | URL | ryonaz #mLlZp4Zg[ 編集]
彼は、寒いわけでもないのに震えがとまらないってところでしょうか。女教師公認のリンチだと最高です。殺せば行方不明でお終い
2007/09/22(土) 22:43 | URL | でぶ #-[ 編集]
おはようございます。
毎度、ご愛読ありがとうございます。
この狂った学園の世界へようこそ。
続きもどうぞ、ご覧くださいませ。
2007/09/23(日) 09:27 | URL | ryonaz #mLlZp4Zg[ 編集]
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