[18禁] 逆リョナ小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
 家の中に入るとすぐに、部屋のインターホンが鳴った。
 受け答えの電話口から来訪者を確かめる。若い女の声だった。
「こんばんは。研究機関から派遣されてきた者です。お話はお耳に入っていると存じますが。」
 俺は動揺した。もちろん相手が専属のサポートの人間であることは承知していた。ただ、それが女であるということは聞かされていなかったし、想像もしなかった。
 胸が高鳴る。相手がこれから自分専属の女性になると考えれば考えるほど、期待するほど馬鹿らしい数々の妄想が頭を過る。
 ――専属の人間が女……ってことは……あんなことや……こんなこと……
 呆然と立ち尽くした俺は、返事をすることも忘れていた。ただ受話器を持つ手だけが小刻みに震えていることだけを感じていた。
 返事がないことを不審に思ってか、受話器の向こうの女の声が少し小さくなる。
「あの……コピー人間の件で伺ったんですが……。松江さん……ではありませんか?」
 名前を呼びかけられ、俺はふと我に返った。そうして初めて、自分が異様に長い時間黙り込んでいたのだと気付く。
 自嘲する。こんなにも自分の頭は妄想で一杯だったのかと呆れる思いだった。
 受話器に口を当てて声を出すためには、できる限り自分の緊張が相手に伝わらないよう努力して平静を装う必要があった。
「はい。伺っています。お待ちしていました。今開けますので、少しお待ちを。」
 扉を開錠しても、俺の胸はますます大きく高鳴っていくばかりだった。
 ――誰だって程度の差こそあれ、異性が部屋に来る時には緊張するものだろう。
 そう言い訳をしながら、俺は自分をできるだけ落ち着かせるように努めていた。
 女が玄関口を開けて俺に顔を見せるまでの時間が、とても長く思えた。


 ――!!――

 その衝撃は、俺に呼吸をすることすら忘れさせた。
 女は俺の前に姿を現すと同時に、俺の腹に強烈なボディブローを見舞った。捻りを加えた女の拳は鳩尾に深く喰い込み、俺の内臓を的確に捉えているようだった。
「うっ……ぐ……」
 次の瞬間、俺は意識を失った。
 倒れる直前、薄ら笑いを浮かべたその女の紅い唇だけが、俺の霞んだ目の端に映った。

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