{
2007/08/17(金) }
一つだけ、俺の心に覆い被さる不安があった。彼女の復讐についてだ。
彼女の心の闇は一層大きくなっていく。
消えることのない怒りや悲しみ、憎しみは彼女を覆い尽くし、時々それが発現した。
優美子の負った心の病は未だ癒えることはなく、常に彼女の中に潜んでいるのだ。
それに対して自分がどう力になってやればよいのか、俺には分からなかった。
そんな時に頭を過ったのが、あの男だった。無鉄砲で、クールを装いながらも内面は激情的な正直者。
――あいつなら…一体どうするのだろうか…
頼りにしているわけではない。何かをしてほしいと思ったわけでもない。ただ、吐き出し口が欲しかっただけなのだろう。俺の行動によって、何かが変わるかもしれない…
――やっぱり、あいつに話してみよう。こうやって一人で悩んでいても、何も始まらない。
俺は友人である竜崎に、彼女がレイプされた事実を話そうと、心に決めた。
「なんて奴らだよ。そんなこと、絶対に許されない。」
竜崎は怒号した。この激情的な性格は、正直俺とは正反対で興味深いものだった。
人間は自分とは違うものを排除しようとする性質がある反面、違うからこそその価値観の違いに興味をもち、より相手の考えを知りたいとも思える性質もまた持ち合わせているのだろう。
そんな意味でも、竜崎の反応は俺にとって新鮮で面白いものだった。
「竜崎。正義って、何だろうな。」
激高していた竜崎は一瞬口ごもる。唐突な質問に虚をつかれたようだった。しかし竜崎はそれでも怒りを隠すことなく、自分の感情を俺にぶつけてきた。
「正義ってのはな。真っ直ぐ生きていくってことなんだよ。そいつらのやったことは、間違いなく悪だ。悪だ! 少なくとも俺はそいつらのこと、絶対許さねえ。」
思ったとおりの反応だ。短絡的で直情的な…。でも…
――他人の彼女のことでここまで怒ってくれるこいつは、もっと尊敬しなくてはいけないのかもな。
自省する。俺はその日あったことの一部始終を竜崎に話すことにした。
全てを聞いた竜崎はもはや怒りに身体をぶるぶると震わせていた。
「で、そいつらは確かに東一丸高校だと言ったわけだな。」
「いや…それは何とも言えないかな。彼女もあの時はショックで精神状態が正常じゃなかっただろうからな。」
「はっ。まぁ、それはいずれ分かることだ。実力行使あるのみだな。」
「そのことなんだが…。実はな…奴らに復讐しようとしてるんだよ。それが正義だと信じてるから。」
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彼女の心の闇は一層大きくなっていく。
消えることのない怒りや悲しみ、憎しみは彼女を覆い尽くし、時々それが発現した。
優美子の負った心の病は未だ癒えることはなく、常に彼女の中に潜んでいるのだ。
それに対して自分がどう力になってやればよいのか、俺には分からなかった。
そんな時に頭を過ったのが、あの男だった。無鉄砲で、クールを装いながらも内面は激情的な正直者。
――あいつなら…一体どうするのだろうか…
頼りにしているわけではない。何かをしてほしいと思ったわけでもない。ただ、吐き出し口が欲しかっただけなのだろう。俺の行動によって、何かが変わるかもしれない…
――やっぱり、あいつに話してみよう。こうやって一人で悩んでいても、何も始まらない。
俺は友人である竜崎に、彼女がレイプされた事実を話そうと、心に決めた。
「なんて奴らだよ。そんなこと、絶対に許されない。」
竜崎は怒号した。この激情的な性格は、正直俺とは正反対で興味深いものだった。
人間は自分とは違うものを排除しようとする性質がある反面、違うからこそその価値観の違いに興味をもち、より相手の考えを知りたいとも思える性質もまた持ち合わせているのだろう。
そんな意味でも、竜崎の反応は俺にとって新鮮で面白いものだった。
「竜崎。正義って、何だろうな。」
激高していた竜崎は一瞬口ごもる。唐突な質問に虚をつかれたようだった。しかし竜崎はそれでも怒りを隠すことなく、自分の感情を俺にぶつけてきた。
「正義ってのはな。真っ直ぐ生きていくってことなんだよ。そいつらのやったことは、間違いなく悪だ。悪だ! 少なくとも俺はそいつらのこと、絶対許さねえ。」
思ったとおりの反応だ。短絡的で直情的な…。でも…
――他人の彼女のことでここまで怒ってくれるこいつは、もっと尊敬しなくてはいけないのかもな。
自省する。俺はその日あったことの一部始終を竜崎に話すことにした。
全てを聞いた竜崎はもはや怒りに身体をぶるぶると震わせていた。
「で、そいつらは確かに東一丸高校だと言ったわけだな。」
「いや…それは何とも言えないかな。彼女もあの時はショックで精神状態が正常じゃなかっただろうからな。」
「はっ。まぁ、それはいずれ分かることだ。実力行使あるのみだな。」
「そのことなんだが…。実はな…奴らに復讐しようとしてるんだよ。それが正義だと信じてるから。」
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