[18禁] 逆リョナ小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
 街を出た俺は、その足ですぐに自宅へと帰ってきた。
 気付くと親父の靴にそろえて女物の靴が玄関先に置かれている。
 リビングからは親父と女の人の楽しそうな会話が聞こえてくる。
 …へぇ…あの親父にそんな甲斐性がまだあったなんて。
 俺は好奇心からしばらく耳をそばだてていた。
 こりゃ、タイミングが悪かったかな。親父の口説き文句っていうのはこんなにも胸の痒いものか。
 俺は心の中で苦笑するとともに、正直少し感心していた。
 全く精気が失せたと思っていた親父に恋人がいたということを、俺は自分のことのように喜んでいた。
 我ながらいい息子だな。自嘲する。
 俺は二人に気付かれないように、そっと自分の部屋へと足を運んだ。

 …それにしても…
 俺は考え込んだ。この現象はもはや偶然とは言い難い。だからと言って…じゃあ何なのだろう。
 あれは幻なんだろうか。いや、俺の中にある一つの願望か?まさか…何か悪い霊にでもとり憑かれて?
 …馬鹿馬鹿しい。
 またも俺は行き詰まり、それらの考えを排除する。
 ――考えていても何も始まらないか。
 あらためて俺は机に向かい、自分の中にあるモヤモヤとしたものを吐き出すかのように学術書に目を通し始めた。


 その夜は深夜になるまで眠れなかった。またあの女が出てくるのではないかという不安が俺につきまとっていたからだ。
 ――俺の中にある願望が彼女を呼び出しているのだろうか…それとも別の何か…。…分からない…
 またも答えの出ない問いが俺の頭の中をグルグルと回る。
 しかし、朝焼けが少しずつ辺りを照らし出す頃になると、さすがに眠気がピークに達してきた。
 俺はベッドに入ることなく、部屋の絨毯の上で眠りに落ちた。

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