[18禁] 逆リョナ小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
 気が付くとそこはいつもの講義室であった。いつもの如く、講義中に眠りに落ちてしまっていたようだ。
 全身に汗をびっしょりとかいている。
 …またあの女の夢だ…
 またも無意識に俺は身体中を確認する。舌をグルグルと回してみる。当然異常はない。
 お経のように響く教授の声は、再び俺を眠りへと誘おうとしている。
 しかし俺は先ほどの夢の恐怖もあり、その時間に再度眠りにつくことはなかった。
 あの女は一体何なんだ?…これはもう偶然では片付かない。それに…あの夢の内容…
 俺は夢のことを思い出すと、寒気を感じずにはいられなかった。
 長い長い教授の独壇講演が終わると、俺は逃げ出すように講義室を後にした。


 気分が優れない…。あの夢の状況や光景、映像は鮮明に俺の頭の中に焼きついていた。
 俺はどこか近くの喫茶店にでも入って気分転換をしようと考えた。
 大学を出ると、俺は適当な店を探して街の中を歩き回った。ちょうどその時だった。
 …!!…あ…あれは…!!…
 人混みを器用にくぐりぬけながらしなやかに歩く女性。すらりとした完璧とも言えるプロポーション。白いワンピースに長いストレートヘアー。
 …あの女だ!!…
 女は公道を挟んだ向こう側の歩道を歩いていた。俺は彼女に目線を合わせたまま人混みを掻き分けて追いかけた。

 スクランブル交差点に入り、とにかく向こう側へ渡ろうと信号を待つ。
 彼女は信号に背を向け、向こう側の道の曲がり角を曲がっていく。
 信号が青に変わり、俺が反対側の歩道へ辿り着いたころには、既にそこに女の姿はなかった。
 …見失ってしまったか…
 しかし俺はがっかりする反面、内心少しほっとしたような気分でもあった。
 これまでのことをどう説明したものか。その答えが俺には分からなかったからだ。
 『あなたは俺の夢に出てきた人ですよね。』…それじゃ単なる馬鹿だ…
 きっとあれは人違いだ。あの夢に縛られるあまり、俺は少しでも似ている人間を追い求めるようになってしまっているんだ。
「しっかりするんだ。」
 俺は自分を励ますようにそう声に出した。
 今日は疲れたな…もう帰ろう…
 俺は諦めて帰路についた。ただ、俺の中にある数々の疑問は決して消えたわけではなかった。
 あれは単なる夢…。もちろんそうに決まっている。でも…
 あまりに鮮明な夢の記憶がどうしても頭から離れなかった。この不思議な謎を解き明かしたい。その思いは俺の中に常に残っていた。

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