{
2007/06/13(水) }
刺された注射針は、俺の身体に異様な飾り付けを施していた。
規則的とは言えない針のデザインが、却って俺の身体を彩っているようにも見える。
身体中の力を抜かれてしまったような感覚に襲われ、俺はしばしその状況に身を委ねる。
全ての針を刺しつくした女は、騎乗の体勢を保ったままにっこりと俺に笑顔を向けた。
彼女は瞳を輝かせながら俺の身体中を見つめ、それからまた別の道具を取り出した。
――今度は…何を?
彼女が手にしていたものは薄手のメスであった。銀色に光るその切先に俺は身体を震わせる。
俺を一体どうしようというんだ。この女の目的は何なんだ。
彼女は俺の右の手首を掴むと、ぐっと力を込めた。彼女の細い手から与えられる力は、見かけによらず相当なものだった。俺の抵抗など到底無意味であることは、この時の俺にはよく分かった。
恐怖心の中、俺は呼吸を荒げながら自分の手先をじっと見つめていた。
ゆっくりと指先に近づけられるメスを前に、俺はただただ怯えるしかなかった。
「ぐがああああああ…ああああああ!!!」
小指の先にとてつもなく熱いものを感じる。この時、俺の小指の第一関節から上が失われた。
ぽとりと音を立てて俺の指先が床に転がり落ちる。切断された指先からは大量の血液が流れ落ちた。
「あっぐ…あああ…ああああああ!!」
絶叫が室内に響き渡る。このような状況下での人間とは何と空しいものなのだろう。
何もできず、ただ張り裂けんばかりの声を腹の底から吐き出すことしかできないとは。
彼女はなおも妖艶な笑みを俺に向け、表情を変えぬまま続けて俺の薬指を切断した。
「がああああああ!!!」
絶叫する。もちろん誰かに伝わるわけではない。ただ、それしかできないだけのこと。
無言のままでメスを俺の手先に向け続ける目の前の女は、それでも笑顔を絶やすことがなかった。
その行為自体を楽しむかのような彼女の瞳に、俺は凄まじい狂気を感じずにはいられなかった。
中指、人差し指、そして親指。
彼女は冷静に、そのメスで次々と俺の指先を切断していった。その度に俺は叫び声を上げる。
既に俺の右手は、流れ落ちた血液にまみれて真っ赤に染まっていた。
床には先ほどまで俺の指先に確かについていたものが、まるでごみのように転がっている。
自分の指があんなに離れた場所にあるという事実は、未だかつて体験したこともないほどの恐怖を俺に与えるには十分すぎるものであった。
俺は自分の手をあらためて見る。変わり果てた自分の右手はあまりにも恐ろしかった。俺はそのショックに耐えかね、そのまま気絶してしまった。
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規則的とは言えない針のデザインが、却って俺の身体を彩っているようにも見える。
身体中の力を抜かれてしまったような感覚に襲われ、俺はしばしその状況に身を委ねる。
全ての針を刺しつくした女は、騎乗の体勢を保ったままにっこりと俺に笑顔を向けた。
彼女は瞳を輝かせながら俺の身体中を見つめ、それからまた別の道具を取り出した。
――今度は…何を?
彼女が手にしていたものは薄手のメスであった。銀色に光るその切先に俺は身体を震わせる。
俺を一体どうしようというんだ。この女の目的は何なんだ。
彼女は俺の右の手首を掴むと、ぐっと力を込めた。彼女の細い手から与えられる力は、見かけによらず相当なものだった。俺の抵抗など到底無意味であることは、この時の俺にはよく分かった。
恐怖心の中、俺は呼吸を荒げながら自分の手先をじっと見つめていた。
ゆっくりと指先に近づけられるメスを前に、俺はただただ怯えるしかなかった。
「ぐがああああああ…ああああああ!!!」
小指の先にとてつもなく熱いものを感じる。この時、俺の小指の第一関節から上が失われた。
ぽとりと音を立てて俺の指先が床に転がり落ちる。切断された指先からは大量の血液が流れ落ちた。
「あっぐ…あああ…ああああああ!!」
絶叫が室内に響き渡る。このような状況下での人間とは何と空しいものなのだろう。
何もできず、ただ張り裂けんばかりの声を腹の底から吐き出すことしかできないとは。
彼女はなおも妖艶な笑みを俺に向け、表情を変えぬまま続けて俺の薬指を切断した。
「がああああああ!!!」
絶叫する。もちろん誰かに伝わるわけではない。ただ、それしかできないだけのこと。
無言のままでメスを俺の手先に向け続ける目の前の女は、それでも笑顔を絶やすことがなかった。
その行為自体を楽しむかのような彼女の瞳に、俺は凄まじい狂気を感じずにはいられなかった。
中指、人差し指、そして親指。
彼女は冷静に、そのメスで次々と俺の指先を切断していった。その度に俺は叫び声を上げる。
既に俺の右手は、流れ落ちた血液にまみれて真っ赤に染まっていた。
床には先ほどまで俺の指先に確かについていたものが、まるでごみのように転がっている。
自分の指があんなに離れた場所にあるという事実は、未だかつて体験したこともないほどの恐怖を俺に与えるには十分すぎるものであった。
俺は自分の手をあらためて見る。変わり果てた自分の右手はあまりにも恐ろしかった。俺はそのショックに耐えかね、そのまま気絶してしまった。
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