{
2007/06/11(月) }
気付くと俺は自分のベッドの上にいた。
時計の針は夜中の四時を指している。額や背中には汗をびっしょりとかいていた。
…夢…か…
喉が異常に渇いていた。俺は立ち上がり、洗面台へと足を運ぶ。
寝室ではいつも通り親父が寝息を立てていた。母の遺影が目の端に映る。親父の枕元には飲みかけの角瓶が置かれていた。
…親父…寂しいんだろうな…
そんなことを考えながら洗面台へと向かう。コップ三杯の水を飲んでようやく喉が潤った俺は、再び床に就くべく自分の部屋へと向かった。
しかし…リアルな夢だったな。
ふいに彼女の強い瞳が瞼の裏に甦る。彼女からは確かに何とも言えないオーラを感じた。
あの女は一体…。いや、馬鹿馬鹿しい。全て夢の中の話だ。
俺は床に就くと、吸い込まれるように再び眠りに落ちた。
時間の有り余る大学生とは名ばかりで、俺にとっての朝はまさに戦そのものだ。
朝の掃除や朝食の準備、身支度。母親のいない俺にとっては家事が仕事の一つである。
四十代半ばにして退職した親父は、母が死んでからというもの家で毎日ぼうっと何をするでもなく過ごす。既に老後生活を堪能している風だ。
俺の学費は大丈夫なんだろうか?…バイトでも始めた方がいいかもな…
そんな考えがふと頭を過る。
親父が寝ぼけ眼で髪を掻き毟りながらリビングに入ってくる頃に、俺は家を飛び出す。
何しろ電車で二時間はかかる遠い場所なのだ。そろそろ一人暮らしでも始めたいと思うが、あの親父の廃れ具合を見ているとそれもまだまだ先の話だろう。
通学途中の電車内で、俺はまた何となく昨日見た夢のことを思い出していた。
あの女の容姿、香り。そして首元に触れた指の感触。全てが鮮明に頭に焼き付いていた。
それにしても、綺麗な女だったよな。しかし何だったのだろう。あの身を委ねたくなるほどの愉悦と、同時に感じたあのリアルな恐怖は。
そんなことを考えながら、俺は電車の座席でうとうとと眠りに落ちていった。
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時計の針は夜中の四時を指している。額や背中には汗をびっしょりとかいていた。
…夢…か…
喉が異常に渇いていた。俺は立ち上がり、洗面台へと足を運ぶ。
寝室ではいつも通り親父が寝息を立てていた。母の遺影が目の端に映る。親父の枕元には飲みかけの角瓶が置かれていた。
…親父…寂しいんだろうな…
そんなことを考えながら洗面台へと向かう。コップ三杯の水を飲んでようやく喉が潤った俺は、再び床に就くべく自分の部屋へと向かった。
しかし…リアルな夢だったな。
ふいに彼女の強い瞳が瞼の裏に甦る。彼女からは確かに何とも言えないオーラを感じた。
あの女は一体…。いや、馬鹿馬鹿しい。全て夢の中の話だ。
俺は床に就くと、吸い込まれるように再び眠りに落ちた。
時間の有り余る大学生とは名ばかりで、俺にとっての朝はまさに戦そのものだ。
朝の掃除や朝食の準備、身支度。母親のいない俺にとっては家事が仕事の一つである。
四十代半ばにして退職した親父は、母が死んでからというもの家で毎日ぼうっと何をするでもなく過ごす。既に老後生活を堪能している風だ。
俺の学費は大丈夫なんだろうか?…バイトでも始めた方がいいかもな…
そんな考えがふと頭を過る。
親父が寝ぼけ眼で髪を掻き毟りながらリビングに入ってくる頃に、俺は家を飛び出す。
何しろ電車で二時間はかかる遠い場所なのだ。そろそろ一人暮らしでも始めたいと思うが、あの親父の廃れ具合を見ているとそれもまだまだ先の話だろう。
通学途中の電車内で、俺はまた何となく昨日見た夢のことを思い出していた。
あの女の容姿、香り。そして首元に触れた指の感触。全てが鮮明に頭に焼き付いていた。
それにしても、綺麗な女だったよな。しかし何だったのだろう。あの身を委ねたくなるほどの愉悦と、同時に感じたあのリアルな恐怖は。
そんなことを考えながら、俺は電車の座席でうとうとと眠りに落ちていった。
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