[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  〜美しき女性たちの狂気〜
 小倉は昇天した後、ぐったりとして動かなくなった。
 ただ、そこで終わっていればどんなによかっただろう……
 冷静な顔で小倉のそれを自分の中から抜き、少し離れた優美子はその後、無防備に仰向けで寝ている小倉の腹めがけてニードロップをしたのだ。
 小倉は苦しそうな声をあげ、藤村と同じように、血を吐いて動かなくなった。
 もはや尋常でないことは誰の目から見ても明らかだ。それなのに……
 ……優美子の、何かを悟ったような落ち着きと無表情な顔は一体何なのだろう……

 ――本当に、彼女こそが女神なのかもしれない……

 俺の中で何かが壊れ始めていた。
 正義や秩序。俺が大好きな言葉だったはずだ。
 恐怖に屈することなく、いつでも自分の信念を貫く。
 大人たちは俺を褒め、俺自身そういう自分を誇らしく思っていた。
 ――本当は……違うのかもしれない……
 自分の中の光と闇が入れかわり、精神世界に混乱を招く。
 俺の中のモラルが揺らぎ、崩れていく……
 ――俺は一体……今まで何を見てきたんだろう……

 優美子は小倉の腹に突き刺さった自分の膝を抜き取り、そんな俺の姿を見ながら、ゆっくりと……ゆっくりと……
 最後の獲物となった俺に向かって迫ってきた。



 俺の頭には、もはや思考力や判断力は存在しなかった。
 ただ目の前に突きつけられた現実を見ながら、震える体で「恐怖」を表現するしかなかった。
 今まさに、一歩一歩と迫り来る、優美子という名の脅威に対して……

「さぁ、最後の一人ね。どうしてあげようかしら。」

 優美子が楽しそうに、満面の笑みを浮かべて近づいてくる。
 俺は優美子のその言葉に虚をつかれた思いだった。
「最後の一人」……「一人」……
 ――そうか……彼女にとって俺は竜崎ではなく、最後の一人……
 ……大勢の獲物の中の一人なんだ……
 そう感じた瞬間、俺はもう一つの自分の気持ちに気付き、自嘲の念を強くした。
 ――俺が?……この俺が……? ばかな! 相手は優美子。あの優美子なんだ……
 そう、俺は優美子を憎んでいる。
 冷血……残忍……無慈悲……。しかし、恐ろしく魅力的な……魅力的な……?
 ――女神?……笑わせるな。竜崎。お前は何を期待していた?
 ――彼女の中の特別な存在に?……彼女の魅力に?……いい加減にしろ!
 ――悪魔だ……お前は今悪魔の狂気に晒され、心まで奪われかけているんだ……

 その瞬間俺の頭は思考を再開し、恐怖はやがて激しい怒りとなって優美子に向けられていた。
 そして俺は次の瞬間、無我夢中で優美子に向かって拳を振り回していた。

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