[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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 手首に喰い込んだ縄が痛かった。
 俺の身体をしっかりと拘束している仰々しい固定椅子は、俺に微動だに一つも許してはくれない。
 こじんまりとした薄暗い部屋。高みに一つだけある窓から、わずかながら漏れる日の光。
 無機質なその空間は、俺の精神を圧迫するには十分すぎるほど、おぞましい雰囲気を保っていた。
 …ここは…
 状況に途惑いながら俺は周囲を見回す。物音一つ聞こえてはこない。
 静まり返った部屋の中をじっと観察してみても、暗がりでほとんどの物の輪郭は見えてこない。
 監獄?…独房?…いや…そんな馬鹿な…。一体…何がどうなって…
 わずかに漏れてくる光の先にはうっすらと鉄のようなものが見える。
 それは天井から長く吊るされたチェーンのようであった。それが何を意味するものなのか、当然俺には分からなかった。
 それ以前に、俺にはもっと重要な何かが欠けていたのだ。
「…俺は一体…誰だ?…」
 思わず口をついて言葉が出る。
 そう…。今の俺の中には記憶というものが存在していなかった。
 分かっているのは…今、自分自身がこの暗い部屋の中でこうやって拘束されているというその事実だけ。
 どうして…こんなことに?
 俺は必死でもがいた。何とかこの縄を解いてこの空間から脱したい。
 その先に何が待っているのか、何が見えるのか、今の俺には全く検討がつかない。
 しかしそれでもなお、この状況を打開したいという思いが俺の中に強く残っていた。
 痛っ…
 手首だけではない。身体中に突き刺すような痛みが走る。
 よく見ると、俺の身体には至る所に生傷が浮かび上がっている。
 さっきから常に感じている後頭部の激痛…。
 俺がこうして記憶を失ってしまっていることと何か関係があるのだろうか。

 薄暗いこの空間の中では時間帯は全く分からない。一体俺はどれくらいの間、気を失っていたのだろう。
 ここで…一体何が行われているんだ?…
 …俺を…どうするつもりなんだ。誰がこんなことを…。何のために?…
 想像もつかないことにしばし思いを巡らす。もちろん、何も思い浮かんではこない。
 分からない…。全く、何も分からない…。
 これは悪い夢なのではないか…。そんな考えすら頭を過る。
 しかしそれもまた俺の中であっけなく否定される。
 俺を襲う身体中の痛みが、これが紛れもない真実であるということを肯定し続けているのだ。
 途方に暮れた俺は拘束されたままの姿勢に身を委ね、天井を見上げる。
「誰か、助けてくれ…誰か、教えてくれ!」
 俺は見えない相手に思いをぶつけるように叫んでいた。

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