[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  〜美しき女性たちの狂気〜
 自分はMである。
 それだけであれば、日常生活には全くと言っていいほど支障はない。
 それは時として、ささいな出来事から一瞬にして発現する。

 日曜日の昼下がり。昼食の買い出しにコンビニにふらりと入る。
 昼時とあって店内には人が多かった。
 スーツ姿の社会人から学生まで、荒い人波が店内に溢れている。
 特に社会人にとっての昼食は、まさに時間との戦いそのものなのだろう。
 その点、僕は暇な自由人。いわゆるニートだ。時間は無限にある。
 のらりくらりと人の波の間を潜り抜けながら、ゆっくりと目的のものを探す。
 僕はパンを三つと牛乳一本、デザートにとプリンを手にし、長蛇の列が出来上がったレジ前に並んだ。
「お待ちのお客様、こちらへどうぞ。」
 店員が別のレジ口を開いて声をかける。そちらにもまた人が流れていく。
 僕の後ろに並んでいるOL風の女性は、今か今かと自分の番が来るのを待っている様子だ。
 大変なんだなぁ…社会人は…
 呑気なことを考えながら、僕は僕でぼうっと順番待ちをしている。
 前にいる女子高生数人は、騒がしい声で喋っている。
「うっそー。マジヤバイってそれ!」
 髪をポニーテールにした長身の子がそう言ったのに対し、
「ウザイね。」
 と一言、ボブカットの子が相づちを打つ。彼女は朗らかな笑顔を浮かべていた。
 胸が高鳴る。
『ちょっとおっさん、目障りだからどっか行ってくんない?そしたら殺さないであげるからさぁ。』
 …
 妄想に耽る。そんな言葉がかけられたら僕は一瞬で昇天してしまうだろうに…
 しかし時間というものは思った通り、いやそれ以上に普通に刻々と過ぎていくものなのだ。
 何事もなく…ただ一歩、また一歩とレジへ近付いていくだけ。
 後ろのOLは、相変わらず時計を見ながらそわそわしている。
 とうとう僕の前の女子高生たちの順番が回ってきた。
『ちょっと、とろとろとレジ打ってんじゃねーよ。早くしないと明日から仕事に来られなくしてやるよ。』
 …気付くと僕は妄想している。これは一種の病気じゃないだろうか…
 僕は黙ったまま自嘲する。
「二百九十円になります。」
 女子高生は財布から小銭を取り出し、お釣りをもらうとレシートを受け取るのを断る。
 小さなレジ袋を受け取ると、すぐにでも出口へとさっと後ろをふり返る。

 ……!!!……

 …思わぬ幸福に僕は昇天しそうになった。
 ふり返りざまに、ボブカットの子の肘が、見事に僕の腹に深くめり込んでいたのだ。
 息が詰まった。苦しみはその後を追うように僕に襲いかかってくる。
「ぐうぅ…」
 僕は込み上げてくる吐き気と必死で闘った。
 …この瞬間が僕にとっての永遠…この瞬間を切り取っていつまでも残しておきたい…
「あ、ごめんなさい。」
 と、本人が謝罪する。他の女子高生たちはそそくさと出口の方へ向かっていく。
『てめぇ、何ぶつかってきてんだよ。ちょっと来いよ。』
 彼女からそう言われたのは、やっぱり僕の頭の中でだけ…
 僕の妄想の中でだけ…



END

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コメント
この記事へのコメント
妄想Mの人は、結構多いと思います。
実生活で誰かに言うのは、勇気が要りますしね。
2007/06/26(火) 01:39 | URL | SR #bMUbTW1E[ 編集]
共感いただけて嬉しいです。
他人に迷惑もかけないし、誰にも気付かれない(多分)
考えてみれば妄想って意外に便利な自慰的行為かもしれませんね。
実生活では確かに…。ふざけ半分に「自分はどちらかと言うとMだね」などと言うくらいでしょうか。
2007/06/26(火) 12:27 | URL | ryonaz #6x2ZnSGE[ 編集]
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