[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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 ふたりの間を、やわらかな風が吹き抜けた。
 女は、そのすらりと長い脚で君の身体を絡め取りながら、
「他人に反発心をもっているのに他人に従い、他人を信じないのに他人を頼る」
 両手で、君の頬を優しく包み込んだ。
「嫌われることや傷つくことが怖いから、苦笑いで引き受ける。そして、断れない自分に言い訳する。悔しい思いを、人間愛という綺麗な言葉で塗り潰してね。それが――」
 わずかに間を置き、
「この世にあって幸せだと叫ぶあなたが、この世を否定しているという矛盾を生む理由だよ」
 彼女は結論付けた。さっきも言ったように――、と、前置きをしてから、
「それが答え」
 静かに、先ほどの言葉を繰り返した。

 言葉を失い、
「うぅ……」
 と、肩を落とす君の首元に、彼女の両腕がするりと巻き付いた。彼女の体温が、次第に、抱かれた君へと伝わっていく。彼女の右手はいつしか君の首元を離れ、腹部に宛がわれていた。
 トン。
 さり気なく放たれた掌底は、君の中身を掻き乱し、
「う……、えええっ……」
 君はそこで嘔吐した。
 彼女の右手が再び動く。指先が、君の身体を執拗に這いずり回った。君の身体は嬌声を上げ、局部がじわじわと肥大していく。やがて彼女の指は、君の指の中に収まった。ふたりの指が美しく絡んでいる。彼女は再び、そっと君を抱き寄せた。
 彼女はその間、ずっと黙ったままだった。
 君の涙が、頬を伝って流れ落ちていく。泣きじゃくる君の声が、静かなこの場所に響いた。
 この世を否定しなければ、君はもう心のバランスを保てない。矛盾していても、論理的でなくても構わない。自分の考えることが事実――そう思い込まなければ、君の心が崩壊してしまう。そのことを、彼女は熟知していた。
 君は項垂れた。
 ふと顔を上げれば、そこにはさっきまでの君とは違う表情が浮かんでいる。
 彼女が微笑み、君の唇を奪う。二、三秒ほどで、ふたりの顔は離れた。二人の口を繋ぐ唾液の糸は儚く切れた。
「あなたは、心の底では自分の不幸を知っている」
「…………」
「認めてほしいんだよね?」
「……もう、……いいんだ」
 それが、ようやく君の口から出た言葉だった。

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