[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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 幸福は存在しない。
 だから、君は、
「幸せだ!」
 精一杯、そう叫んだ。
 時も所もわからぬまま、君は大の字になって寝転び、見知らぬ女を見上げていた。背の高い、黒髪のよく似合う、清楚で神々しい雰囲気を纏った女だった。
 君の言葉を耳にしたとき、彼女は、
「そう。そんな風に、無理やり言わなければならないほど――」
 口元にわずかな笑みを浮かべながら、
「……不幸なのね」
 君の喉を強く踏み躙った。
「ぐっ……あ、ああ……っ」
「可哀想に」
 膝上まで覆う靴が、皮特有の音を奏でながら君を苦しめる。うめき声とともに、君の口からは涎が零れてくる。呼吸困難に陥りそうになり、必死で彼女の足の下でもがいている。それでも君は、
「無理やり、じゃ……ない」
 言葉を絞り出した。妥協できない思いが、君を突き動かしていたのだ。
 しかし、目の前に立つ女が心を乱すことはない。
「孤独なのね。恐ろしいまでの絶望を、あなたから感じる」
「馬鹿な。俺は幸せだ!」
「幸せなら、わざわざそれを謳ったりしない」
 彼女は大きなため息を吐き、
「あなたの声は、心の悲鳴なの」
 捕らえていた君の喉を解放する。間もなく、君は激しく咳き込んだ。
「本当は気づいているんでしょ?……願うほど、あなたは愛してもらえなかった」
 その言葉につられるように、
「……俺は、頑張ってきた」
 君はポツリと零す。
 それが引き金となり、
「なのに、不幸になるなんて……、許されるわけがない。努力は絶対に……、絶対に、報われるはずなんだ。報われなきゃならないんだ! だから……、今でも俺は、自信をもって言える。思える。俺は、幸せだ。……幸せだ。幸せだ!」
 言葉は勢いよく流れ出た。
 目に涙、口に涎を光らせながら、君はその声を次第に大きくしていった。

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