[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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「短冊かい?」
「うん」
「そうか。今日は七夕か」
「お父さん、忘れてたの?」
「ああ。すっかり」
「ん、できた!」
「そうか。笹は、どこかにあったかな?」
「うん、あるよ。私が持ってくるからいいよ」
「えっと、確か、んと、あ、そうだ! 物置にしまっておいたと思うな」
「それって、去年のとかじゃないの?」
「あ、そうか。古いとダメなのかな。じゃあ、どこにある? 持ってくるよ、お父さんが。今ほら、お父さん暇――」
「……あのさ、お父さん」
「ん?」
「せめてそのお茶飲み終わってからにしてよ、もう、せわしない」
「そうか?」
「うん。お父さんのそういうバタバタした感じ、正直、趣がなくて冷める」
「うあっ!……きついなあ、心音は。……はい、わかりました」
「ふふ、よろしい。その間にさ、お父さんも願い事、書けば?」
「お父さんは、……いい」
「どうして? お願い書かないと、叶えてもらえないよ?」
「……書いてきたんだ。これまで。先立った郁実――、っと、心音のお母さんに逢いたいって。……話せなくてもいいから、夢の中だけでいいから、一目でいいから、声だけでもいいから――そりゃあ、……何度も、……な」
「……逢えたの?」
「はは。残念ながら、毎年欠かさず書いたんだけどね。願いは叶えてもらえなかった」
「そう……」
「――あっ! あ、いやいや、ごめんごめん、悪かったよ。心音は良い子だし、可愛いからさ、きっと願いは叶えてもらえると思う。お父さんはほら、趣が無かっただけで――」
「可愛いは関係ないでしょ?」
「あ、えと、あ、と、そっか、でも――」
「ふふ」
「え?」
「なんか、そういうところも、お父さんらしいなあって」
「……んーっと」
「褒めてるの。お父さん見てると、何か、イライラするのも馬鹿らしくなる」
「そっか。……じゃあ、とりあえず喜んでおこうかな、はは」
「ねえ」
「ん?」
「私が、お父さんの願い事、代わりに書いてあげるよ」
「あっはは。孝行な娘に恵まれたもんだ」
「お父さんが早く死にますように――」
「――え?」
「お母さんが逢いにきてくれないんだもん。名案でしょ?」
「わっははは。いや、こりゃ参ったな」
「何よ。お父さんのさっきの話、聴いてちょっと感動してたんだけどな、私」
「あ、いや、ごめんな。ただほら、お父さんもまだまだ若いつもりだしさ」
「死ぬのは嫌なの?」
「まあ、そうだね。まだ死ねないかな。心音の成長もまだまだ見たいしね」
「そっか」
「だから、お父さんのことはいいんだよ。心音のお願いだけで」
「……早まったなあ」
「え?」
「願い事」
「ん? どんな願い事した、ん――、っ!」
「……ふふっ」
「こ……、ぐ……っ! あ……」
「いつもうるさいお父さんの――」
「っ……、は、かはっ!」
「――お茶に盛った毒が、早く効きますように」



END

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コメント
この記事へのコメント
これは会話文より、文章で読んでみたいですね。
2012/07/08(日) 09:34 | URL | そう #NkOZRVVI[ 編集]
いらっしゃいませ。
そうさん、初めまして。貴重なご意見、ありがとうございます。
驚きました。実は私もそう思い、最初は小説形式で執筆していたので。
表現がくどくなり、ゴテゴテしてしまったから、というのが本音です。
今後も精進していきますので、応援よろしくお願いいたします。よろしければ、ぜひまたご来訪ください。
2012/07/08(日) 11:14 | URL | ryonaz #mLlZp4Zg[ 編集]
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