[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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 狂ったように弾み、咳き込み、涎をだらだらと零し、胃液をまき散らし、足でバタバタと床を打ち、全身を波打たせ――
 やがて誠一は、床上にぐったりと突っ伏した。
「ぐふ!……っあ、お、えあ……」
 時折、彼の口から音が鳴る。吐瀉物が排出される。
 ――いっそ、意識を失ってしまいたい。
 誠一は生まれて初めて、そう願った。だが、
「ひぃ、っぐ……ああっ!……がああああ!」
 なおも体中に叩き落とされている愛華の足――そこから伝わる痛みや苦しみ、右肩を断続的に襲う激痛、催す嘔吐感。その全てが、彼の気絶を許さない。
 できるなら夢であってほしい。目覚めたら布団の中で、寝汗をたくさんかいていて、気付けば朝で、いつものように仕事に出かける。苦痛を少しでも紛らわしたかったのか、彼はそんな自分を思い描いた。しかしそれは所詮、叶わぬ夢という名の妄想だ。この苦痛が現実でないのなら、もう恐ろしくて眠ることすらできないだろう。
 輝きを失った誠一の瞳を覗き込み、愛華はくすりと笑みを零した。
 彼女は喜んでいる。根拠は、誠一の表情が「喜び」の色を湛えているから。彼は確かに怯えている。許してほしいと願っている。だが、この状況下でもなお、陰茎をそそり勃てているのだ。今の誠一になら、愛華の笑みの意味もよくわかるだろう。
「ゆ、許して……」
「…………」
 愛華はもう誠一の言葉に答えなかった。静かに、彼の左肩に足をかける。
「――っ!」
 ドスン――、という踏音は、床を鳴らした。寸でのところで、誠一は愛華の踏み足をかわしていた。彼の思った通りだった。相変わらず、愛華が逡巡することはない。
 誠一の瞳に光が戻る。
 ――逃げろ! 逃げろ! 逃げろ!
 自身を捲くし立てる言葉が、彼の心中に響き渡る。
 愛華の追撃を避け、這うように、必死で駆ける。
 ――間に合ってくれ!
 背後。遠くに聞こえた「はぁ……」という彼女の吐息が、誠一に微々たる安心を与えた。
 誠一は倒れ込むようにトイレに入り、鍵をかけた。この部屋が一階であることに、これほど感謝する日が来るとは思っていなかった。窓をそっと開ける。
 彼は外に転がり出るが早いか、あてもなく闇の奥へと進んでいった。

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コメント
この記事へのコメント
誠一が逃げてほしい 気持ちと 残酷に踏み潰されてほしい 気持ちが入り交じり なかなかハラハラする おもしろい展開ですね 映画みているような感じです読んでて この展開が映像でリアルタイムで頭に入ってくる感じです この後の展開がすごく楽しみです
2011/05/11(水) 09:37 | URL | きんた #-[ 編集]
おお、1話の場面の繋がりですね。
誠一はどうなってしまうのでしょう・・・緊張感がとてもいいですね。
2011/05/11(水) 19:23 | URL | ギフトホルツ #-[ 編集]
彼は、満足、後悔のどちらを得られるのだろうか ひとつ言えることは、ただではすまない。愛華様さえ満足されればそれでよい。
2011/05/11(水) 19:52 | URL | でぶ #-[ 編集]
きんたさん。
葛藤を抱き、心を揺らしてくださる。展開を映像のように楽しみながらご覧いただける。
きんたさんの豊かな感性の成せる業ですね。作者にとって、とても光栄なことです。
ありがとうございます。これからも、よろしくお願いいたします。
2011/05/12(木) 17:58 | URL | ryonaz #mLlZp4Zg[ 編集]
ギフトホルツさん。
「緊張感」――私にとって、大切にしたい要素のひとつです。
お褒めいただき、ありがとうございます。
>どうなってしまうのでしょう
そう思い、感じ、物語をご覧いただけていることが、とても嬉しいです。
2011/05/12(木) 18:03 | URL | ryonaz #mLlZp4Zg[ 編集]
でぶさん。
さて、誠一クンは、愛華は、どんな運命をたどるのでしょう。
シナリオは、いつも完結しています。掲載を始めた時点で、私もただの観察者ですね。
二人のこれからについて、私は、ただ見守るだけです。
2011/05/12(木) 18:09 | URL | ryonaz #mLlZp4Zg[ 編集]
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