[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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 愛華の口から、
「じゃあ……、どうして、嘘ついたの?」
 次に発せられた言葉が、誠一の顔を引き攣らせた。
「ねえ……」
 彼女の語調が強くなる。それに伴い、子猫の声が再び部屋に弱々しく響く。
 じわり、じわり。
 愛華は少しずつ、その足にまた力を込め始めた。誠一は意を決し、
「た、大切だったんだ!」
 本音を張り上げる。同時に、涙が目を覆った。彼女はそんな誠一の顔を覗き込みながら、
「でも、嬉しいんだよね?」
 と、今度は爪先で撫でるように、子猫を弄ぶ。
 限界だった。誠一は堪えてきた感情を解放するように、
「嬉しくない!」
 怒声を吐いた。
「その猫だって、これから名前をつけてあげようって――」
「でも、嬉しそうな顔してる」
「泣き顔だぞ!」
「うん。泣きながら喜んでる」
「だから、喜んでなんて――!」
「ほら、その顔」
「――っ?」
「蛾の時と同じ。嘘じゃなくて、お父さんが間違って思ってるだけ?」
 誠一は気付いていた。だが、気付かぬふりをしていた。認めたくなかった。
 自分が、今や愛華を完全に異性として捉えてしまっていることも、蠢く足先に魅力を感じて目が離せなくなっていることも、彼女が何かしらの凶暴性を見せる度に勃起してしまっていることも、今、目の前にいる子猫に救いたい、潰されろ、という相反する気持ちを抱いてしまっていることも。そして愛華のそれは、言葉足らずだが肯綮に中っており、実は自分の心の深淵を見抜かれてしまっているのだということも――
 それでも誠一は、愛華に、
「お父さん、嘘つきかもしれない。でも、やめてほしい。本当に」
 と、縋るように懇願した。
「愛華、頼むから……」
「私は、お父さんに喜んでほしいだけ」
「その猫は大切なんだ!」
「じゃあその大切なものを潰せば、お父さん、喜ぶんでしょ?」
「そうじゃない……、そうじゃなくて――」
 愛華は再び子猫の腹部に足を置き、じわじわと体重をかけていった。

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コメント
この記事へのコメント
愛華さんは純粋で良い子ですね。
それに引き換え、嘘付きは駄目ですね。
2011/05/05(木) 05:08 | URL | MA #-[ 編集]
愛華は誠一の本心を見抜いていたのですね。ずっと前に母が「私から見たら自分の子供は分身みたい。」と言っていた事を思い出しました。自分の分身に嘘をついても見抜かれますよね。
2011/05/05(木) 17:10 | URL | ひらき #k62HVzjU[ 編集]
MAさん。
その「ダメな嘘つき」は、愛華の大好きなお父さんです。
そして愛華は、「お父さんに喜んでほしいだけ」だと言っています。
MAさんが誠一を貶す。彼が傷つく。彼がMAさんを憎む。では、彼の心の深淵を見抜く愛華の次の標的は……?
――と、すみません。私の勝手な妄想の暴走です(笑)
2011/05/06(金) 01:42 | URL | ryonaz #mLlZp4Zg[ 編集]
ひらきさん。
作品からご自身の親子関係まで想起していただけるなんて、光栄です。
分身みたい、というのは面白い表現ですね。
「親子の絆」は、私にとって、割と興味深いテーマなのです。
2011/05/06(金) 01:46 | URL | ryonaz #mLlZp4Zg[ 編集]
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