[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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 どれくらいの時間が経っただろう。
 誠一の思考は、徐々に働き始めてきていた。相変わらず身体を丸めたまま、
 ――俺じゃ、力不足だ。
 心の中で呟く。
 それで罪悪感が消えるわけではない。言い訳にしかならない。誠一はそのことを十分承知していた。それでも、そうまでしてでも、彼は自らを覆う恐怖心から逃げたかった。
 だが――
「……みつけた」
 誠一の望みは断たれた。


 ***

 誠一は、工場勤務のサラリーマンだ。
 四十代。五年前に離婚し、現在は独身。ひとり娘は、妻の麻美子が引き取った。
 どちらが引き取るか、ということに関してもめることはなかった。誠一は赴任が多く、なかなか足場が定着しない。現在の住まいも、入居したばかりのアパートだ。比べて、麻美子は開業医をしている。同じ場所で長く暮らせるほうが娘にとって良い、というのが、二人の結論だった。経済面でも、意見は一致した。誠一の年収も決して低いものではなかったが、彼女のほうがより高額で安泰だ、ということでお互い同意した。麻美子の、家事と仕事を両立する力や、娘への躾や細かい気配りに関しては、誠一の尊敬するところであったし、何より、娘の愛華が母親と一緒に暮らすことを望んだ。
 かくして、特に問題なく離婚は成立し、そのまま五年が過ぎた。
 だからこそ、
『お願い……』
 唐突な、そして、
『今日一日だけでいいから、愛華を預かって……』
 逼迫した様子をにおわせる麻美子からのメールに、誠一はしばし困惑したのだった。
 彼はすぐ麻美子に、承諾した旨の返信を出した。
 理由や事情はどうあれ、久しぶりに娘に会うことを拒む必要はない――そう考えたからだった。いや、むしろ喜んでいたと言っても過言ではない。二人の生活にむやみに立ち入らないよう、できる限り配慮してきた誠一なのだ。事情云々よりも、娘に会えるという事実のほうが勝り、彼の心を躍らせていた。

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コメント
この記事へのコメント
娘に見つかってしまった誠一。家族関係の過去などがあって、これから先がとても楽しみです。
2011/04/22(金) 14:08 | URL | ひらき #-[ 編集]
ありがとうございます。
楽しみにしていただけて嬉しいです。
今回は、久しぶりの長編小説になります。
ぜひ連載終了まで、気長にお付き合いくださいませ。
2011/04/22(金) 18:30 | URL | ryonaz #mLlZp4Zg[ 編集]
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