Black Onyx [ブラックオニキス];2010/ 07の記事一覧

ここでは、Black Onyx [ブラックオニキス]での 2010年 07月 に掲載した記事を表示しています。
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 剛は、事態を把握できないまま――、それでも、こみ上げてくる確かな不快感に従い、
「……なんだよ、これ?」
 問い詰めるように、語調を強めた。悠然と玄関に上がった遥は、
「これのこと?」
 眉ひとつ動かさず、リビングに正座した荷物を見下ろす。冷淡な瞳だ。彼女が顎で指示をすると、ソレは即座に四つん這いになった。その背中に腰を下ろし、
「私の玩具。気にしないで」
 さらりと言って退けた。
 遥の煮え切らない態度に、剛は、困惑と憤りの混じった複雑な感情をもてあましていた。

 届いた荷物は、遥の玩具。
 当然、剛にとっては、はいそうですか――と納得できるような事ではない。
「はぁ? 普通に考えておかしいだろうが!」
 つい、怒鳴り声をあげる。
「なに堂々と浮気してんだよ! しかも開き直って!」
「……浮気? 違うよ」
 そう言って立ち上がり、遥は笑った。
「違う、って……、誰が見たって――」
 ――ドッ!
「ぐうっ!」
 遥の行為と鈍い音が、剛の言葉を遮った。
 腹部を勢いよく蹴り上げられた荷物が、呻き声をあげる。さらに二度、三度、
「お……、おい……」
 動揺を隠せない剛の声を無視し、遥は荷物を淡々と蹴り続けた。患部がじわじわと赤みを帯びてきた頃、彼女は荷物の背中に足を乗せ、ぐりぐりと踏み躙る。ソレは、苦悶の声を上げながらも、そのままの体勢を維持し、
「ありが、とうございます。ありがと、うござっ、います……」
 オウムのように、同じ言葉を繰り返した。
 身を縮め、微震する大きな荷物。
 剛の目には、その背中が、ひどく小さく見えた。



(To Be Continued...)

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 大きな荷物だった。
 都心にある、高級マンションの最上階。鍵の開くカタンという音が彼女の帰りを知らせていることを、剛は承知していた。
「おう。帰ったか、遥」
 そう声をかけ、ダブルベッドから腰を上げる。
 広い部屋だ。シンプルだが洒落た内装は、遥の趣味なのだろう。いつものように、剛はリビングからダイニングキッチンを抜け、玄関へと向かう。
 その時、剛の目が、俄かに大きく見開かれた。
 玄関には、OLスーツを纏った遥の姿があった。汗でわずかに透けた白いブラウスの上に、ひとつボタンの黒ジャケットを羽織っている。剛が来た頃には、先の尖ったグレーのリボンパンプスを脱ぎ始めているところだった。ストッキングを穿いていないため、黒い膝丈のスカートからは、彼女の艶やかな生脚が覗いていた。腰を折り、屈み、しゃがみ――その都度、スカートが捲れ、彼女の膝が、太腿が、下着が、ちらちらと顔を覗かせる。
 だが、そんな色香漂う彼女の姿や動作は、剛の目には一切、入っていない。ただ、
「……は?」
 とだけ口にするのが精一杯だった。それほどの存在感をもつモノが、そこには確かに存在していた。
「ただいま」
 という彼女の声すら耳に入らない。剛の混乱した表情に気づいたのか、遥は彼と同じ場所へと視線を移し、
「あ、これ、私の荷物」
 平然と言い放ち、脱いだ両方のヒールを片手ですいと持ち上げた。
 剛は困惑の表情を、顔いっぱいに湛えていた。
 無理もない。
 彼の視線を釘付けにしていたのは、全裸の人間、という荷物だったのだから――

 遥が手にしたヒールを翳したとき、
「失礼いたします」
 初めて、裸の荷物が喉を鳴らした。低くて太い声だ。ソレは床に貼り付くように頭を低く保ち、遥のヒールを両手で高く捧げ持つと、丁重に、靴箱の中へとそれを収めた。

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未完の蔵出し作品です。
気が向いたら続きを執筆しよう――と思いながら、半年以上放置していました。
未だ気乗りしないので、とりあえず、こちらに掲載いたしました。

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大変お世話になっています。
マゾヒストの喜び、kazowkさんよりイラストを頂きました。
魅力溢れる作品に、心が躍ります。
いつも大きなお力添え、本当にありがとうございます!
※画像をクリックすると、拡大します。携帯の人はこちら→拡大


kazowkさんコメント…
 美しく高貴な女御主人様に踏みつけられながら、その重みと痛みが女御主人様からの愛情と感じる奴隷の表情を表わしました。
ryonazコメント…
 この構図、素敵ですね。好みです。悦に入ったような表情を歪ませるのも、楽しみのひとつなんですよね(笑)

kazowkさんのサイト 【マゾヒストの喜び】
マゾヒストの喜び
(過去の奴隷経験ブログ「女性の足下に跪く喜び」も必見です。)

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『ひぐらしのなく頃に』の二次創作です。
ネタバレが含まれますので、自己責任でご覧ください。

初めて二次創作というものに触れました。
着手したのは、ちょうど一年前くらいです。
予め設定された舞台に立てるという負担のなさと、予め設定された舞台に立たなければならないという制限。
いろいろと勉強になりました。
物語の構成は完成していますが、続きを文章にしていません。
きっかけを楽しんでいただければ幸いです。

【 読む 】

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