[18禁] 逆リョナ小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
数年前から、少しずつ書き進めてきた小説です。
長編小説になる予定だったのですが、完成の展望が見えないので、蔵出しさせていただきます。
興味をもっていただけたら嬉しいです。

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 剛は、事態を把握できないまま――、それでも、こみ上げてくる確かな不快感に従い、
「……なんだよ、これ?」
 問い詰めるように、語調を強めた。悠然と玄関に上がった遥は、
「これのこと?」
 眉ひとつ動かさず、リビングに正座した荷物を見下ろす。冷淡な瞳だ。彼女が顎で指示をすると、ソレは即座に四つん這いになった。その背中に腰を下ろし、
「私の玩具。気にしないで」
 さらりと言って退けた。
 遥の煮え切らない態度に、剛は、困惑と憤りの混じった複雑な感情をもてあましていた。

 届いた荷物は、遥の玩具。
 当然、剛にとっては、はいそうですか――と納得できるような事ではない。
「はぁ? 普通に考えておかしいだろうが!」
 つい、怒鳴り声をあげる。
「なに堂々と浮気してんだよ! しかも開き直って!」
「……浮気? 違うよ」
 そう言って立ち上がり、遥は笑った。
「違う、って……、誰が見たって――」
 ――ドッ!
「ぐうっ!」
 遥の行為と鈍い音が、剛の言葉を遮った。
 腹部を勢いよく蹴り上げられた荷物が、呻き声をあげる。さらに二度、三度、
「お……、おい……」
 動揺を隠せない剛の声を無視し、遥は荷物を淡々と蹴り続けた。患部がじわじわと赤みを帯びてきた頃、彼女は荷物の背中に足を乗せ、ぐりぐりと踏み躙る。ソレは、苦悶の声を上げながらも、そのままの体勢を維持し、
「ありが、とうございます。ありがと、うござっ、います……」
 オウムのように、同じ言葉を繰り返した。
 身を縮め、微震する大きな荷物。
 剛の目には、その背中が、ひどく小さく見えた。



(To Be Continued...)

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 大きな荷物だった。
 都心にある、高級マンションの最上階。鍵の開くカタンという音が彼女の帰りを知らせていることを、剛は承知していた。
「おう。帰ったか、遥」
 そう声をかけ、ダブルベッドから腰を上げる。
 広い部屋だ。シンプルだが洒落た内装は、遥の趣味なのだろう。いつものように、剛はリビングからダイニングキッチンを抜け、玄関へと向かう。
 その時、剛の目が、俄かに大きく見開かれた。
 玄関には、OLスーツを纏った遥の姿があった。汗でわずかに透けた白いブラウスの上に、ひとつボタンの黒ジャケットを羽織っている。剛が来た頃には、先の尖ったグレーのリボンパンプスを脱ぎ始めているところだった。ストッキングを穿いていないため、黒い膝丈のスカートからは、彼女の艶やかな生脚が覗いていた。腰を折り、屈み、しゃがみ――その都度、スカートが捲れ、彼女の膝が、太腿が、下着が、ちらちらと顔を覗かせる。
 だが、そんな色香漂う彼女の姿や動作は、剛の目には一切、入っていない。ただ、
「……は?」
 とだけ口にするのが精一杯だった。それほどの存在感をもつモノが、そこには確かに存在していた。
「ただいま」
 という彼女の声すら耳に入らない。剛の混乱した表情に気づいたのか、遥は彼と同じ場所へと視線を移し、
「あ、これ、私の荷物」
 平然と言い放ち、脱いだ両方のヒールを片手ですいと持ち上げた。
 剛は困惑の表情を、顔いっぱいに湛えていた。
 無理もない。
 彼の視線を釘付けにしていたのは、全裸の人間、という荷物だったのだから――

 遥が手にしたヒールを翳したとき、
「失礼いたします」
 初めて、裸の荷物が喉を鳴らした。低くて太い声だ。ソレは床に貼り付くように頭を低く保ち、遥のヒールを両手で高く捧げ持つと、丁重に、靴箱の中へとそれを収めた。

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未完の蔵出し作品です。
気が向いたら続きを執筆しよう――と思いながら、半年以上放置していました。
未だ気乗りしないので、とりあえず、こちらに掲載いたしました。

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