[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  ~美しき女性たちの狂気~
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引き続き、女子高生シリーズです。
三部作で触れました、花音の売春斡旋に関するエピソードです。
彼女の作り上げたシステムの一部をご紹介いたしました。
こんな娘ですが、どうぞ可愛がってあげてください。
それにしても、広志クンは今回もかたなしでしたね(笑)

連載を終える度に感じるのは、ご覧くださっている皆様への深い感謝の気持ちです。
当サイトも、もうすぐ三周年を迎えます。
ここまでサイト運営を続けてこられたのも、皆様がいらっしゃったからこそです。

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いつも、多大な活力を頂いています。本当に、ありがとうございます。

これからも、この感謝の気持ちを忘れず、執筆を続けていきたいと思っています。
今後も、Black Onyx [ブラックオニキス]を、何卒ご贔屓に。

●花音のキャラ絵 →

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「そう。やっぱりね……」
 花音は無表情のまま、さらに広志に詰め寄る。
「また……わたしに協力してくれるよね?」
「ひゃ、は、はぃ!」
「使えるお友達、できた?」
「は、ひいぃぃ!」
「もう、逆らったりしないよね?」
「はぃ! はひ! はひぃ!」
 精一杯従う様子を見せる広志を前に、花音は再度、その顔に美しい笑みを宿した。彼女に笑顔が戻ったことに、広志は安堵の息を吐く。花音は「良い子」と囁いた後――
 手にしたカッターナイフを、勢いよく横に振り切った。
 絶叫と、跳ね回る身体と、飛び交う血飛沫。
 アスファルトの上で踊る広志の鳩尾に、花音のローファーの爪先が強く突き立てられた。
 彼の吐いた黄水が、地面の赤をわずかに薄めた。


 放課のチャイムが鳴った。
 ガラリと教室のドアを開け、ひとりの女子が花音に駆け寄ってくる。花音は、内心の苛立ちを抑え、笑顔で対応した。女の子はわずかに緊張した面持ちで、
「花音さん。コレ、今週の分。約束の二割」
 その手に握った厚い封筒を、花音に手渡した。
 花音の作った援交グループは、今や数十人の女の子を抱えていた。花音自身はもちろん参加しない。客との間を取り仕切るだけで、十分に金が入ってくるからだ。
「ありがと。うまくいった?」
「うん。良い感じ。でもね……」
「どうしたの?」
「ひとり、困ったヤツがいて。終わった後に、値切ってきたの」
「ふぅん……。その人の名前は?」
「えっとね――」
「……わかった。こっちで処理しておくから大丈夫。とりあえず不足分、渡しておくね」
「本当、ごめん。いつもありがとう」
「いいよ。紹介したのは私なんだから。私の責任」
 花音の優しい笑顔に、女の子の表情も緩む。そして、少しだけ迷った顔で、おずおずと話し始めた。
「えっと……。あと、恭子がね。もう辞めたいって言ってるんだけど……」
「そうなの?……じゃあ、相談に乗るから、いつもの店に来るように言っておいてくれる?」
 花音の笑みは崩れない。女の子は、ホッと緊張のほぐれた様子を見せた。
「分かった。伝えておくね」


 女の子が教室を離れてから、花音は小さく舌打ちをした。
 ――使えないヤツばっかり。
 恭子は、もうオシマイ。最後に、どう使ってやろう。いつものように、連中に引き渡してやればいいか。思いきり滅茶苦茶にされた方が、今後の口止めにもなるだろうし。
 花音は携帯電話を取り出し、広志に発信した。



END

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 強い風が、二人を煽った。
 ゲームセンターの脇にある狭い路地。闇の迫ったこの時間帯にあっては、とても人目の及ぶはずもない一角だ。二人を挟み込むように聳え立った壁は、優に二メートルを超えている。その壁は所々が毀れ、全く風避けの役目を果たしていなかった。
 制服の上に薄手の白いトレンチコートを羽織っただけの花音と、厚手のダウンジャケットの下に重ね着をしている広志。
 特別、寒がりなわけではない。体調が悪いわけでもない。だが、震えていたのは広志のほうだった。それも、一人では立ってさえいられないほどに――
「はあ……は……」
 彼の喉から、ぎこちない音が零れる。汗が、頬を伝って流れ落ちる。
「暑いの? 寒いの? はっきりしなよ」
 嘲笑混じりに広志を見つめる花音の手には、カッターナイフが握られていた。あまつさえ、その刃は、彼の口内で煌めいていた。
「や……、や、やへて……」
 花音は、震えたまま立ち尽くす広志の両足の間に膝を滑り込ませ、太腿で優しく撫で始める。身動きの取れない彼は、花音の行為に従う他はなかった。やがてその膝が、
「が……はっ……!」
 鋭く、彼の睾丸に牙をむく。――呻き声。それが間もなく、
「げあああっ!」
 悲鳴へと変わる。
「動いたら……、……わかるでしょ?」
 アスファルトの上に、赤い染みがひとつ、ふたつ、みっつ――
 己の口から滴る血液を目下に見ながら、広志はいっそう震えを大きくする。しかしその震えが、さらに口内の傷を増やしていった。
 必死で元の体勢に戻る。そしてまた、
「はあっ!……んっが……、ああああっ!」
 ぽたり、ぽたり。
 繰り返される行為の中、地を染める赤だけが、着々と広がっていった。
 花音は絶えず、酷薄な笑みを浮かべていた。すいとその顔を広志に近づけ、
「あの夜……何で来なかったの?」
 柔らかくも厳しい響きを帯びた声で、そう問いかける。手首を返し、刃先を彼の上顎に宛てがう。
 広志は、必死の形相で言葉を発した。だが、
「あぐ……うぅっ」
 何をしゃべっているのか、ほとんど聴き取れない。
「あぎっ……なぎ、さ」
 その瞬間、花音から笑みが消えた。

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 音の空間だった。
 白を基調とした内装だが、清潔感はない。充満している煙草の臭いや、壁のそこここに付着する黒ずみが、多数施された色彩豊かな照明効果を濁している。置かれたいくつものゲーム機は、無機質で味気ない。そのひとつひとつが、各々に与えられた音を発していた。
 あるものは一定のビートを奏で、あるものは打撃音を、あるものは金属音を、あるものはメロディを、あるものは声を――。混在する音は一切の統一感をもたない。それを助長するように、ゲームを前にした物言わぬ人間たちもまた、それぞれが、カチカチ――、ドンドン――、と、そこに乱雑な音を加えていた。
「KO!」
 目前のゲーム機が声を上げた時、広志は薄く微笑んだ。太い腕をぐるりと回す。次の対戦相手の名が呼ばれるまで、急いた指が、カチカチとボタンを叩く。
 その時、首筋に冷たいものが触れた。
 冷たく、しなやかな感覚。それが女の指先だとわかったのは、広志がとっさに振り返った後のことだった。
「あ……、あ」
 喉を鳴らす。身体が硬直する。急激に鼓動が高まり、額から汗が滲んでくる。
 極上の笑顔を浮かべた美少女が、そこにいた。
 高校生らしからぬ、大人びた顔立ち。柔らかそうな薄紅色の唇。すっと通った鼻筋。彼女は艶やかな長い髪をかきあげながら、切れ長の瞳を覗かせていた。
「うぁ……か、かか、花音……」
 広志の声は、動揺を顕著に表していた。彼女の笑顔が笑顔でないことを知っているのだ。朗らかな表情の裏にある感情が読み取れず、彼は呼吸を荒げる。
「久しぶり」
 穏やかな口調で声をかけられても、広志は硬直したままだった。真横にいる美女と、瞳を合わせることができない。心当たりがあるからだ。そんな彼の顔を覗き込みながら、
「最近、返信ないよね……?」
 花音は続ける。広志の喉からは、既に声すら出てこない。予想は図星だった。彼の首筋を伝う指が、すうっと耳へと移動する。くいと耳たぶを掴み、花音は、
「ちょっと、いい?」
 と、言葉を紡いだ。その声には、有無を言わせぬ力強さがあった。問いかけではなく、命令――。広志には、それがはっきりとわかった。
「あ……、あぁ」
 絞り出した彼の声がひっくり返る。瞳が泳ぐ。
 花音は、震える足で立ち上がった広志の腕を抱え、身体を預けるように寄りかかる。傍目から見れば、まず恋人同士と信じて疑わないだろう。二人の足は、そのまま店外へと向かった。
 背後からは、先ほどと同じ「KO!」という、空しくも皮肉めいた機械音が聞こえてきていた。

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久しぶりの、女子高生シリーズです。
今回は、彩香の日常を描きました。
彼女の心情に寄り添っていただけたら嬉しいです。

更新ペースも、だいぶ落ち着いてきたような気がします。
人生、ゆっくりと――、ゆっくりと――
最近は特に、自分に言い聞かせている言葉です。

ご覧くださった方々に、感謝申し上げます。
余寒厳しき折柄、どうぞご自愛くださいませ。
これからも、Black Onyx [ブラックオニキス]を、どうぞよろしくお願いいたします。

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 雪がちらついていた。
 閉じた瞳から溢れてくるものに、興味なんてなかった。
 瞬きすると、瞳に入ってくる色――ただそこにあるものの存在に、心がわずかに揺れる。そんな感覚をもっていられるだけで、幸せなのかもしれないと思った。
 夜の闇から、ゆっくり……、ゆっくりと落ちてくる粉。
 静かに揺らぐ地面と同じ。ゆらゆら、ゆらゆら。私の身体も揺れている。
 視界に、また人影が映る。ここまで、いくつののっぺら坊をすり抜けてきたのだろう。物言わぬ、不可思議な塊。
 私のことが、見えているのだろうか。すれ違うだけじゃつまらない――。つまらないよ。
「おっ、ちょ……、コラ!」
 吠えている。
 私が見えてるなら、ちゃんと私の存在を認めてよ。
 振り上げた脚と、舞い踊る白い花。地に這い蹲るあなた。
 聞こえた声は、どこか遠く。でも、確かに生きているものの、確かな叫び。
「やめ……、誰か!」
「ぐうっ!……っは!」
「助け――……!」
 あなたの存在が、私を存在させるのなら――
 遠慮したりしない。躊躇したりしない。私が私であるために、必要だから。
 私が生きていること――それは、あなたに教えてもらわなくちゃわからない。
「……げ……、うぅ……」
 私は私。
 ――あなたは、誰?
 薄いコートの上から、あなたの感触が伝わってくる。あなたが生きている感触。そして、生きたあなたが私の制服に吹き散らす、赤と、赤と、そして赤――
 指先が冷たい。私の感覚が、掌の中に戻ってくる。
 風が、こんなにも冷たいものだなんて、知らなかった。ぼんやりと光る外灯が、こんなにも明るいものだなんて、考えたこともなかった。
 目の前に転がった「誰か」が教えてくれた。
 私は、生きている。じゃあ、あなたは……?
 自然と笑みが零れた。
 身体を小刻みに揺らすあなたの声は、もう私にしか聞こえない。もしかしたら、この風と灯りは、それを聞いているのかもしれないけど。そんなこと、どうでもいい。
「幸せでしょ?」
 問いかけてみても、あなたは身体を丸めたまま。
 私は思わずため息を吐く。
 そう。いつもそう。私が生を感じられたその瞬間、誰もが私から離れてしまう。ちょうど今の、あなたみたいに。
 そして、こんな夜には、いつだって――
「……!」
 温かい声が、私を包んでくれる。振り返れば、想像していた顔がそこにある。
 私を叱ってくれる。優しい痛みをくれる。
 ――あぁ……また、間違えちゃった。
「彩香」
 なぁに、紗希。
「帰ろ」
 その温もりが、私の全て。



END

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「花」連作 ―― 「花びら一枚、影ひとつ」「闇咲く花」「きらめき残して花は散る」 ―― 完結いたしました。
予定通り、三部構成でお送りすることができ、とりあえず一安心です。

春の物語にも関わらず、気づけば梅雨が明けていました(笑)
ここ一週間ほどで、既に猛暑がやってきているような気すらしますが……

長らくお付き合いくださった方々、どうもありがとうございました。
これからも応援、どうぞよろしくお願いいたします。

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 花音は、めぼしい女の子を携帯電話で撮影し、写真を使って男たちに紹介する。一番いい値をつけた奴に引き渡すのが常だ。
 美里ちゃんの格闘の強さは知っていても、やはり心配になる。写真が既に出回っているなら、急がなければならない。
 広志は、まだ俯いたままだ。
「ちょっと、あんたの携帯、見せてくれない?」
 広志は渋ったが、やがて観念したように携帯電話を差し出した。メールに添付された写真は――
「やっぱりね」
「…………」
「あんたたちは、もちろん行かないよね?」
「……と、当然だろ」
「――ええっ?」
 驚きの声を上げたのは、地面にへたり込んだままの新顔だ。
「何? まさか、未練あんの?」
 渚が詰め寄ると、彼は反射的に自分の股間を庇った。よほど、さっきの攻撃が効いたらしい。
「行くなら、念のためにソレ、潰しておくけど」
 新顔は、ヒッと鋭く息を呑んだ。ブルブルと震えながら、何度も首を横に振る。
 私は広志に向き直り、その携帯電話を再び覗き込む。
「……他にも送信してるみたいだね。健と勇作、松井……か」
 携帯電話を広志に投げて返し、耳元に唇を近づける。息が当たるほどの近さから、
「そいつらの溜り場、……教えてくれるよね?」
 彼に囁いた。脳の奥を突き刺すような、厳しさを込めた声で。


 教えてもらった場所に向かって、私は走った。
 まだ、幾つか回らなければならない。間に合うといいんだけど……
 走りながら、私は花音のことを考えていた。
 彼女の外づらの良さと、あの残虐さは、どこから来るのだろう。
 その時、脳裏にふと先生の顔が過った。
 もし先生と出会わなければ、私もまた、彼女のもつ闇や悪行に反発することはなかったのかもしれない。
 出会いが人を変える。それなら、花音もいつか変われるというのか。
 彼女が、罪悪感をもてる日は来るのだろうか。
 その時は、また友達になれるだろうか。
 そんなことを思い、心の中で笑い飛ばした。甘い夢を見た自分を。



END

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「こいつ、後輩?」
「あ、まぁ、そんな感じかな」
「ふーん……」
 顔を近づけ、新顔の瞳を覗き込む。広志に止められた理由がわからないためか、抵抗してくる様子はない。私はじわりと身体を押し当て、スラックスの上から、おもむろに彼の睾丸を握った。ぐいと捻り上げる。
「いぎっ……!」
「話を聞きなよ。オトコでありたいなら……」
「いぃ、いででで!……ちょ、広志さん! 何なんスか、こいつ?」
 彼の悲鳴混じりの問いかけを無視し、広志は私の傍らに寄った。
 新顔は涙目になり、身体を捩る。解放すると同時に地面に倒れ込み、股間を押さえて蹲る。その姿を横目に、広志が話しかけてくる。
「久しぶりだな、渚」
「そうだね」
 二度と会うことのない顔だと思っていた。
 広志は相変わらずガタイが良い。太い腕を飾る筋肉は、まだ衰えていないようだった。
「……で? どうして、今頃ここに?」
「最近さ、……花音と連絡取ってる?」
 そこで広志の表情が豹変する。バツの悪そうな顔色だ。
「え、……あぁ、まあ。でも……、どうして?」
 歯切れが悪い。広志が視線を逸らしたことが、私の疑念を確信に変えた。
「ちょっと、友達が巻き込まれてるかもしれなくてさ……」
 広志にすいと顔を近づけると、目を逸らしたまま項垂れる。私は自分の携帯電話を取り出し、
「この娘に見覚えない?」
 と、美里ちゃんと一緒に撮った写真を彼に見せた。広志の額に汗が滲むのがわかる。
「まさか、あいつからメール来たりしてないよね?」
「あいつって……?」
 まだとぼけるつもりなのか。……笑わせてくれる。
「花音だよ。あいつ、まだやってんでしょ?……売春斡旋」
 声に、自然と力が籠った。
 売春と言っても、花音は自分の身体は汚さない。差配するだけで儲かる強固な仕組みを作り上げたからだ。
 花音の『商売』を知ったのは、彼女と知り合ってからずいぶん経ってからのことだった。ただのクラスメイトから友達になり、一緒に遊ぶようになってからも、そんなことは億尾にも出さなかったから。
 そういえば花音は、私のことだけは売ろうとしなかった。今になって不思議に思う。どんな汚いことも辞さない女だというのに。
 単なる気まぐれだったのか。それとも、私のことを本当に友達と認めてくれていたのだろうか……
 けれど、被害者がいることを知って尚、それまでと同じように付き合っていけるはずもない。
 いつしか、私たちは訣別していた。

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 先生との電話を切った後、私はすぐに紗希に電話をかけた。
「紗希、お願いがあるんだ」
 挨拶もなしに、そう口走る。
 正直、私自身に切羽詰った思いがあった。それでも、彼女はそれに動じる気配すら感じさせない。
「何?」
 その冷静で落ち着いた口調が、私の心を緩和させてくれたのかもしれない。
 一呼吸置き、私は言葉を続けた。
「美里ちゃんのことなんだけど――」
 その名に、電話先の空気が少し変わった気がした。
「ちょっとヤバい奴に、引っかかってるみたいでね」
「ああ。あの女か……」
 紗希にも心当たりがあるようだった。彼女は察しが良くて助かる。
「手を貸してほしいんだ」
「うん。どうすればいい?」
「悪いけど、彩香と一緒に美里ちゃんを探してくれない?」
「……わかった」
 場所の心当たりを告げると、紗希は「すぐ行く」とだけ答え、通話を切った。
 私もまた、外出の準備を急ぐ。自分にできることをするために――


 おおよその見当はついていた。
 彼らが溜り場にしている場所は、少し前の私の居場所でもあったのだから。
「あ、いたいた」
 見つけたふたつの影に軽く声をかけると、
「あン?」
 しゃがみ込んでいた男がふり向く。
 見覚えのない顔だ。薄明かりの中で、その顔ははっきりと見えない。それでも、少なくともこの場所にいて、私を知っている男なら、こんな口の聞き方をしてくるはずがない。新顔なのだろう。
 ――面倒だな……
 それでも、悠長に構えている時間はない。
「ごめん、ちょっと聞きたいことあんだけど」
「何だ、お前ぇ?」
 思った通り、新顔が虚勢を張る。ガキはこれだから困る。その時――
「やめろ!」
 彼を横から一喝した者がいた。もうひとりの男。それは、以前の仲間――広志だった。

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