{
2037/12/31(木) }
18歳未満の方の閲覧を禁止します。
18歳以上の方も、自己責任でご覧ください。
妄想と現実との区別がつかない方や、
暴力・猟奇・SM的な嗜好に興味のない方、嫌悪感を催す方は、
すみませんがご退出ください。なお、当サイトは、
残虐行為や犯罪行為を肯定するものではありません。
This site includes violence and a sexual expression.
The person of less than 18 years must not look at this site.
This site doesn't agree with a cruel actual act and the crime.

{
2037/12/30(水) }
「逆リョナ」
女から男に対する暴力的・猟奇的な行為に萌える趣味・嗜好 → 【 詳細 】
女が男を責めるオリジナル小説を掲載しています。
美しき女性たちの狂気 : いじめ、調教、格闘、暴行、リンチ、拷問、殺戮、etc...
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美しき女性たちの狂気 : いじめ、調教、格闘、暴行、リンチ、拷問、殺戮、etc...
{
2037/12/29(火) }
小説の目次です。
それぞれの小説には、鬼畜度と、内容に関する主なキーワードを付けております。読む際の参考にしてください。
過度の暴力的・猟奇的な描写や非人道的な展開を含む作品があります。予めご了承ください。
■ 小説(短編・中編) [ 23作品 ]
■ 長編小説 [ 12作品 ]
■ 小説:優美子 [ 2作品 ]
■ 小説:女王様 [ 11作品 ]
■ 小説:正当拷問自白法 [ 5作品 ]
■ 小説:女子高生 [ 17作品 ]
■ 小説:ガーディアンセンター [ 3作品 ]
■ 小説:その他 [ 18作品 ]
>>連載完結 09.11.12up
■ 「フツウ」 : 小説(短編・中編)
普通でいたい。人間でありたい。それだけが望みだったのに……。青年の日常を揺るがす、ひとりの女の影。
→鬼畜度:★★☆☆☆ (シリアス・暴行・腹責め) [No.88]
■ 完結新作
09.10.25up 「美味しいかい?」 : 小説:その他
09.10.13up 「Euclase」 : 小説(短編・中編)
09.09.20up 「見ないでください」 : 長編小説
09.08.06up 「そこに立っていた」 : 小説:その他
09.08.04up 「傘もささずに」 : 小説:その他
■ 全作品リスト
それぞれの小説には、鬼畜度と、内容に関する主なキーワードを付けております。読む際の参考にしてください。
過度の暴力的・猟奇的な描写や非人道的な展開を含む作品があります。予めご了承ください。
■ 小説(短編・中編) [ 23作品 ]
■ 長編小説 [ 12作品 ]
■ 小説:優美子 [ 2作品 ]
■ 小説:女王様 [ 11作品 ]
■ 小説:正当拷問自白法 [ 5作品 ]
■ 小説:女子高生 [ 17作品 ]
■ 小説:ガーディアンセンター [ 3作品 ]
■ 小説:その他 [ 18作品 ]
>>連載完結 09.11.12up
■ 「フツウ」 : 小説(短編・中編)
普通でいたい。人間でありたい。それだけが望みだったのに……。青年の日常を揺るがす、ひとりの女の影。
→鬼畜度:★★☆☆☆ (シリアス・暴行・腹責め) [No.88]
■ 完結新作
09.10.25up 「美味しいかい?」 : 小説:その他
09.10.13up 「Euclase」 : 小説(短編・中編)
09.09.20up 「見ないでください」 : 長編小説
09.08.06up 「そこに立っていた」 : 小説:その他
09.08.04up 「傘もささずに」 : 小説:その他
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2037/12/28(月) }
イラストの目次です。
頂いたイラストを、一覧にして載せています。
「■」をクリックしてください。各イラスト紹介ページに飛びます。
←old ... new→
▽ キャラクター絵
★ suzuro様
→ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ * ■ ■ ■ ■ ■ ■
★ ネムレス様 (URL)
→ ■ ■
★ Soul様
→ ■ ■ ■ ■ ■ ■
▽ オリジナル絵
★ suzuro様
→ ■ ■ ■ ■ ■
★ エッグ様 (URL)
→ ■
★ kazowk様 (URL)
→ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
★ ふくのつくりべ様 (URL)
→ ■
★ Count ECO様 (URL)
→ ■
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▽ キャラクター絵
★ suzuro様
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2037/12/27(日) }
リンク先サイト様との合同企画です。
「■」をクリックしてください。各サイト様の企画ページに飛びます。
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▽ DAI様 (URL)
★ 拘りの鉄 【 第33回 「逆リョナ」 】 (※企画詳細)
→ ■
▽ イコ様 (URL)
★ 小説ボイス 【 台詞一覧 】 (※携帯不可。企画詳細 : 1 2 3 4 5)
→ ■ ■ * ■ ■ ■ * ■ ■ ■ ■ * ■ ■ ■ ■ * ■ ■
▽ 古木様 (URL)
★ テーマ小説 【 人間家具 】 (※企画詳細)
→ ■
▽ kazowk様 (URL)
★ 共同作品 【 愚奴調教 】 (※企画詳細)
→ ■
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★ 共同作品 【 愚奴調教 】 (※企画詳細)
→ ■
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2009/11/24(火) }
M界にこの人あり!
イラスト第八弾。マゾヒストの喜びのkazowkさんより、ご提供いただきました。
幅広く、積極的に活動されてなお、当サイトへも大きな力を下さっている方です。
多大なご好意に、いつも甘えてばかりの私……(汗)
kazowkさん、いつもありがとうございます!
※画像をクリックすると、拡大します。(高解像度版は、ここをクリック!) 携帯の人はこちら→拡大

kazowkさんコメント…
お嬢様への忠誠心を見せるために的となって、あまりの痛みに泣き出す奴隷の姿を描きました。
ryonazコメント…
弓の練習風景でしょうか。泣く的なんて鬱陶しいですね(笑) 矢が汚れて大変そうですが、頑張ってほしいです!
kazowkさんのサイト 【マゾヒストの喜び】

(過去の奴隷経験ブログ「女性の足下に跪く喜び」も必見です。)
作品を気に入ってくださった方は、ぜひ拍手のクリックをお願いします。
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イラスト第八弾。マゾヒストの喜びのkazowkさんより、ご提供いただきました。
幅広く、積極的に活動されてなお、当サイトへも大きな力を下さっている方です。
多大なご好意に、いつも甘えてばかりの私……(汗)
kazowkさん、いつもありがとうございます!
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kazowkさんコメント…
お嬢様への忠誠心を見せるために的となって、あまりの痛みに泣き出す奴隷の姿を描きました。
ryonazコメント…
弓の練習風景でしょうか。泣く的なんて鬱陶しいですね(笑) 矢が汚れて大変そうですが、頑張ってほしいです!
kazowkさんのサイト 【マゾヒストの喜び】
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2009/11/20(金) }
ご本人はラフ画だと言っておられますが……お蔵入りなんてもったいない!
「これ、ぜひ掲載させて!」
……そんな風に、いつもご無理を申しております。
suzuroさんのスケッチブック公開です。
毎度、私の我侭で振り回してごめんなさい。そして、本当にありがとうございます!
※画像をクリックすると、拡大します。携帯の人はこちら→拡大

suzuroさんコメント…
男がひざまずき、女がただ佇んでいる、という光景が結構好きです。
最初カラーで塗ってたんですけど、どうもピンと来ず、白黒にしちゃいました。
ryonazコメント…
彼を待っているのは、ご褒美? それとも……、お仕置き?(笑)
精神的にじわじわと追い詰める……。この瞬間の空気がたまらないんですよね。
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「これ、ぜひ掲載させて!」
……そんな風に、いつもご無理を申しております。
suzuroさんのスケッチブック公開です。
毎度、私の我侭で振り回してごめんなさい。そして、本当にありがとうございます!
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suzuroさんコメント…
男がひざまずき、女がただ佇んでいる、という光景が結構好きです。
最初カラーで塗ってたんですけど、どうもピンと来ず、白黒にしちゃいました。
ryonazコメント…
彼を待っているのは、ご褒美? それとも……、お仕置き?(笑)
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2009/11/15(日) }
匿名希望さんの、首絞め動画をご紹介いたします。
高校時代の、女子からの虐め体験談が添えられています。
→ ◆ご投稿くださった動画と体験談◆
この動画は、当初、Black Onyx [ブラックオニキス] 宛にお寄せくださったものです。
しかしながら、当方は、リアル厳禁を掲げているサイトです。
そのため、投稿者ご本人の了承を得て、マゾヒストの喜び様でご掲載いただく運びとなりました。
快くお引き受けくださったkazowkさんに、心よりの感謝を申し上げます。
臨場感――
動画と体験談が、当時の雰囲気を、ひしひしと物語っています。
興味がおありの方は、どうぞご覧になってみてください。

高校時代の、女子からの虐め体験談が添えられています。
→ ◆ご投稿くださった動画と体験談◆
この動画は、当初、Black Onyx [ブラックオニキス] 宛にお寄せくださったものです。
しかしながら、当方は、リアル厳禁を掲げているサイトです。
そのため、投稿者ご本人の了承を得て、マゾヒストの喜び様でご掲載いただく運びとなりました。
快くお引き受けくださったkazowkさんに、心よりの感謝を申し上げます。
臨場感――
動画と体験談が、当時の雰囲気を、ひしひしと物語っています。
興味がおありの方は、どうぞご覧になってみてください。
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2009/11/12(木) }
気を抜くと、すぐに重い雰囲気にもっていく癖があるのですが……
割と淡白な作品になった気がします。
当サイトの男性陣は、可哀想な目に遭う確率が高いのですが、彼は例外です。
フツウであることには、変わりありませんので。
当身から気絶へ――
憧れの投影です。
この光景を愛してやまない心情は、一体どこから……?
……未だ掴めないままです。
ちなみに、私は、
「腹を一発殴って気絶というのは現実にはまずあり得ません」
(企画 : X-rated search → 「拘りの鉄」 より)
――と、断言しているのですが、本当はちょっとだけ、実例を証明してほしかったり、してみたかったり(笑)
毎度、皆様のご来訪やお言葉には、大変励まされています。
時節柄、風邪などひかれませぬように。ご自愛くださいませ。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
作品を気に入ってくださった方は、ぜひ拍手のクリックをお願いします。
よろしければ、ランキングバナーのクリックにもご協力ください。

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割と淡白な作品になった気がします。
当サイトの男性陣は、可哀想な目に遭う確率が高いのですが、彼は例外です。
フツウであることには、変わりありませんので。
当身から気絶へ――
憧れの投影です。
この光景を愛してやまない心情は、一体どこから……?
……未だ掴めないままです。
ちなみに、私は、
「腹を一発殴って気絶というのは現実にはまずあり得ません」
(企画 : X-rated search → 「拘りの鉄」 より)
――と、断言しているのですが、本当はちょっとだけ、実例を証明してほしかったり、してみたかったり(笑)
毎度、皆様のご来訪やお言葉には、大変励まされています。
時節柄、風邪などひかれませぬように。ご自愛くださいませ。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
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2009/11/12(木) }
一瞬だった。
女がゆらりと身体を揺らめかせた。――と感じた時には既に、
「……!」
彼女の姿を見失っていた。そして、僕が視線を動かすより速く、
「ぐうっ!!」
その衝撃が腹部を襲った。鋭く……、重い。
「……っ」
エネルギーが内部を伝って、背中から突き抜けていくようだ。
喰い込んだソレは、拳というよりは――
「げえっ!……っは…………」
……鉛のようだった。
身体がくの字に折れ、目が大きく見開かれる。無意識に頬が膨らむ。胃液が急速にせり上がってくる。それを、ひとたびの咳とともに瀉す。内蔵を鷲掴みにされたような、鈍く、心地の悪い感覚が、さらなる嘔吐感を招く。酸い臭いが、喉元を刺激する。
ようやく目に入った女の姿が、ぼんやりと視界に入っていた。小さな口を歪に曲げ、恍惚にも似た表情を浮かべている。その瞳は絶えず、僕へと注がれていた。まるで、僕が苦しむ様子を観察するように。
目的の全くわからない、謎に満ちた女。それでも、今の彼女がとても美しく見えるのは……、きっと僕の目がかすんできているからに違いない。
やがて、僕の身を持ち上げていた、彼女の小さな拳が抜かれ、
「っ……ふっ……」
全身の力が奪われる。自分の身体が前のめりに倒れていくのがわかる。視界が暗転し、視力があっという間に損なわれていく。
それは同時に、僕の保ってきた「普通」が、彼女によって奪われることに他ならなかった。通り魔に殴られ、道端で気絶する。そんなの、どう考えても普通じゃない。明日の朝刊に載ったりするのだろうか。ましてや、相手は女。学校中の話題……、いや、笑いのタネになったりするのだろうか。……嫌だ。……嫌だ!
普通でいたい。人間らしくありたい。そう願うことの、何がいけないのか。
――こんなところで……
精一杯の恨みを込め、彼女を睨んだ。正確には、睨んだつもりでいた。僕の眼差しが、彼女の目にどう映っていたかなんてわからない。ただ、
――そうか。そうだったんだ……
薄れゆく意識の中で、僕は知った。
目の前には、倒れた人、人、人――。皆が倒れている。
僕は安心して、身体の力を抜いた。
ここでは、これがフツウなのだから。
END
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女がゆらりと身体を揺らめかせた。――と感じた時には既に、
「……!」
彼女の姿を見失っていた。そして、僕が視線を動かすより速く、
「ぐうっ!!」
その衝撃が腹部を襲った。鋭く……、重い。
「……っ」
エネルギーが内部を伝って、背中から突き抜けていくようだ。
喰い込んだソレは、拳というよりは――
「げえっ!……っは…………」
……鉛のようだった。
身体がくの字に折れ、目が大きく見開かれる。無意識に頬が膨らむ。胃液が急速にせり上がってくる。それを、ひとたびの咳とともに瀉す。内蔵を鷲掴みにされたような、鈍く、心地の悪い感覚が、さらなる嘔吐感を招く。酸い臭いが、喉元を刺激する。
ようやく目に入った女の姿が、ぼんやりと視界に入っていた。小さな口を歪に曲げ、恍惚にも似た表情を浮かべている。その瞳は絶えず、僕へと注がれていた。まるで、僕が苦しむ様子を観察するように。
目的の全くわからない、謎に満ちた女。それでも、今の彼女がとても美しく見えるのは……、きっと僕の目がかすんできているからに違いない。
やがて、僕の身を持ち上げていた、彼女の小さな拳が抜かれ、
「っ……ふっ……」
全身の力が奪われる。自分の身体が前のめりに倒れていくのがわかる。視界が暗転し、視力があっという間に損なわれていく。
それは同時に、僕の保ってきた「普通」が、彼女によって奪われることに他ならなかった。通り魔に殴られ、道端で気絶する。そんなの、どう考えても普通じゃない。明日の朝刊に載ったりするのだろうか。ましてや、相手は女。学校中の話題……、いや、笑いのタネになったりするのだろうか。……嫌だ。……嫌だ!
普通でいたい。人間らしくありたい。そう願うことの、何がいけないのか。
――こんなところで……
精一杯の恨みを込め、彼女を睨んだ。正確には、睨んだつもりでいた。僕の眼差しが、彼女の目にどう映っていたかなんてわからない。ただ、
――そうか。そうだったんだ……
薄れゆく意識の中で、僕は知った。
目の前には、倒れた人、人、人――。皆が倒れている。
僕は安心して、身体の力を抜いた。
ここでは、これがフツウなのだから。
END
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2009/11/09(月) }
女の背後にいる人間は皆、地面に突っ伏していた。
先ほど倒れた男もまた、今や彼女の後ろだ。あらためて彼に視線を向けた時、僕の斜め前方で、また――
「うぐぅっ!」
声が上がった。その方向を目で追うと、今度は老人が腹を抱えて丸まっている。半開きの口の端から、黄水が流れ出てくる。と――、その直後には、
「ぐっ!……んぅ……」
逆の方向から悶声が聞こえる。今度は子どもが……と思っている隙に、また別の声。
――速い。
今では、彼らの声が、女の足音代わりだった。彼女の姿が捉えられない。
それでも、依然として僕の周囲の人間が、歩みを止めることはなかった。騒ぐ者もなければ、声をかける者もない。走る者すらいない。僕の後から路地へと入ってきた者もまた同じ。無言のまま、淡々と歩を進めている。
異様な空気を感じずにはいられなかった。どうして、誰も、何も言わないんだ? どうして、誰も、取り乱さないんだ? どうして……? どうして……? これじゃ、まるで、おかしいのは……僕のほう……
――歩かなきゃ……
人混みに紛れたら、黙って周りに歩調を合わせる。出ない杭になる。それが、僕にとっての普通なのだ。例えその先に、恐怖を与える存在がいると知っていようとも……
だが、そんな思いとは裏腹に、僕の足は一歩も前へ出てくれなかった。膝が震えている。爪先が重い。まるで、太腿から下が凍ってしまったかのように、硬い。
怖い。
幾度となく耳に入ってくる声が、徐々に近づいてくる女の足取りを伝えていた。
右へ――、左へ――、中央へ――、また右へ――。そして、目前の男が崩れ――
……ふわりと香る甘い香り。それが、僕に女の最接近を伝えた最初のものだった。反射的に身構える。そんな僕の目下に、彼女はその小さな姿を現した。
明らかに、先ほどまでのハイテンポを緩めている。思わず唾を嚥下する。彼女は、僕の恐怖心を察しているかのように思えた。弄ぶように、舐め回すように、僕の顔を覗き込む。
美麗と愛嬌の共存とでも言えばいいのだろうか。年の頃がわからない。
その整った顔立ちは大人の香りを色めかせ、同時に、ツインテールの施された黒髪や自然な肌艶、表情のそこここからは、どこか幼さが滲み出している。
彼女は、首元に刺繍の入った長袖の白いハイネックの上に、黒いワンピースを重ね着していた。裾はラメパイピングが飾り、脚はチェックをアクセントとした黒いハイソックスが包んでいる。ピンクのスニーカーには、赤いラインが引かれていた。
そして――
一度は見ないふりをした彼女の拳もまた、今度は、はっきりと見えた。
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先ほど倒れた男もまた、今や彼女の後ろだ。あらためて彼に視線を向けた時、僕の斜め前方で、また――
「うぐぅっ!」
声が上がった。その方向を目で追うと、今度は老人が腹を抱えて丸まっている。半開きの口の端から、黄水が流れ出てくる。と――、その直後には、
「ぐっ!……んぅ……」
逆の方向から悶声が聞こえる。今度は子どもが……と思っている隙に、また別の声。
――速い。
今では、彼らの声が、女の足音代わりだった。彼女の姿が捉えられない。
それでも、依然として僕の周囲の人間が、歩みを止めることはなかった。騒ぐ者もなければ、声をかける者もない。走る者すらいない。僕の後から路地へと入ってきた者もまた同じ。無言のまま、淡々と歩を進めている。
異様な空気を感じずにはいられなかった。どうして、誰も、何も言わないんだ? どうして、誰も、取り乱さないんだ? どうして……? どうして……? これじゃ、まるで、おかしいのは……僕のほう……
――歩かなきゃ……
人混みに紛れたら、黙って周りに歩調を合わせる。出ない杭になる。それが、僕にとっての普通なのだ。例えその先に、恐怖を与える存在がいると知っていようとも……
だが、そんな思いとは裏腹に、僕の足は一歩も前へ出てくれなかった。膝が震えている。爪先が重い。まるで、太腿から下が凍ってしまったかのように、硬い。
怖い。
幾度となく耳に入ってくる声が、徐々に近づいてくる女の足取りを伝えていた。
右へ――、左へ――、中央へ――、また右へ――。そして、目前の男が崩れ――
……ふわりと香る甘い香り。それが、僕に女の最接近を伝えた最初のものだった。反射的に身構える。そんな僕の目下に、彼女はその小さな姿を現した。
明らかに、先ほどまでのハイテンポを緩めている。思わず唾を嚥下する。彼女は、僕の恐怖心を察しているかのように思えた。弄ぶように、舐め回すように、僕の顔を覗き込む。
美麗と愛嬌の共存とでも言えばいいのだろうか。年の頃がわからない。
その整った顔立ちは大人の香りを色めかせ、同時に、ツインテールの施された黒髪や自然な肌艶、表情のそこここからは、どこか幼さが滲み出している。
彼女は、首元に刺繍の入った長袖の白いハイネックの上に、黒いワンピースを重ね着していた。裾はラメパイピングが飾り、脚はチェックをアクセントとした黒いハイソックスが包んでいる。ピンクのスニーカーには、赤いラインが引かれていた。
そして――
一度は見ないふりをした彼女の拳もまた、今度は、はっきりと見えた。
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2009/11/07(土) }
ただ、普通でいたかった。
会話をする時は、相手に同調する。複数で話し合う時は、隣に習って発言する。誰かが笑えば一緒に笑うし、誰かが怒れば雰囲気を読んで静かに俯く。人混みに紛れたら、黙って周りに歩調を合わせる。
人間の営みがわからない。
太宰治……だったか。小説の中で、確かそんなことを言っていたっけ。恥の多い生涯? そんなの、僕だって同じだ。きっと僕も、死に際にはそう思うんだろう。ただ、人の間を生きていく方法が違っているだけで。
彼は道化を演じて、進んで出る杭になった。僕は逆だ。
出ない杭になる。
――それが、僕の信じた処世術だった。そのためには、何より普通であることが肝心だと思っていた。
でもそれなら――、今のこの僕は、一体どうすれば人間でいることができるのか……
ひと気の少ない路地だった。
建物に挟まれた、百メートルほどの狭い一本道。学校の帰り道だから、普段は気に留めることもなかったような場所だ。せいぜい、今日みたいな夕暮れ時にはカラスが鳴いていたような気がする――その程度の印象があるくらいだろうか。
意識してみれば、確かに今日も、カラスの声が聞こえる。それなのに、今の僕には、ここが初めて通りかかった道のように思える。
――僕はただ、普通でいたいだけ。それだけなのに……
いつものように、人がいる。そう、人がいる。だけど、そこにいる数人は、明らかに普通じゃない。ある者は膝をついて腹を抱え、ある者は大の字になり、ある者は痙攣し……
いずれも、コンクリートの地面に倒れ込んでいた。
そして、またひとり――
「っ……かはっ!」
ドサッという音とともに、地面に頽れる。
ガタイのいいサラリーマン風の男だった。倒れゆく彼が、まるでスローモーションの映像でも見ているかのように、ゆっくりと見えた。もしかしたら、彼の脇からひょっこりと現れた、その姿を見るのが恐ろしかったからかもしれない。
女だった。
通りの中央付近。目を凝らしてみても、輪郭を捉えるのが精一杯だった。ツインテールの黒髪が風に靡いている。華奢な印象だ。スカートから覗く脚は、色白で細い。
ぼんやりと見える彼女の表情は、とても可愛らしかった。だからこそ、僕は否定したかったのかもしれない。そのしなやかな腕の先で、確かに握られた拳を。
僕はとっさに、視線を彼女の周囲に向けていた。
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会話をする時は、相手に同調する。複数で話し合う時は、隣に習って発言する。誰かが笑えば一緒に笑うし、誰かが怒れば雰囲気を読んで静かに俯く。人混みに紛れたら、黙って周りに歩調を合わせる。
人間の営みがわからない。
太宰治……だったか。小説の中で、確かそんなことを言っていたっけ。恥の多い生涯? そんなの、僕だって同じだ。きっと僕も、死に際にはそう思うんだろう。ただ、人の間を生きていく方法が違っているだけで。
彼は道化を演じて、進んで出る杭になった。僕は逆だ。
出ない杭になる。
――それが、僕の信じた処世術だった。そのためには、何より普通であることが肝心だと思っていた。
でもそれなら――、今のこの僕は、一体どうすれば人間でいることができるのか……
ひと気の少ない路地だった。
建物に挟まれた、百メートルほどの狭い一本道。学校の帰り道だから、普段は気に留めることもなかったような場所だ。せいぜい、今日みたいな夕暮れ時にはカラスが鳴いていたような気がする――その程度の印象があるくらいだろうか。
意識してみれば、確かに今日も、カラスの声が聞こえる。それなのに、今の僕には、ここが初めて通りかかった道のように思える。
――僕はただ、普通でいたいだけ。それだけなのに……
いつものように、人がいる。そう、人がいる。だけど、そこにいる数人は、明らかに普通じゃない。ある者は膝をついて腹を抱え、ある者は大の字になり、ある者は痙攣し……
いずれも、コンクリートの地面に倒れ込んでいた。
そして、またひとり――
「っ……かはっ!」
ドサッという音とともに、地面に頽れる。
ガタイのいいサラリーマン風の男だった。倒れゆく彼が、まるでスローモーションの映像でも見ているかのように、ゆっくりと見えた。もしかしたら、彼の脇からひょっこりと現れた、その姿を見るのが恐ろしかったからかもしれない。
女だった。
通りの中央付近。目を凝らしてみても、輪郭を捉えるのが精一杯だった。ツインテールの黒髪が風に靡いている。華奢な印象だ。スカートから覗く脚は、色白で細い。
ぼんやりと見える彼女の表情は、とても可愛らしかった。だからこそ、僕は否定したかったのかもしれない。そのしなやかな腕の先で、確かに握られた拳を。
僕はとっさに、視線を彼女の周囲に向けていた。
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