[18禁] 逆リョナ系SM小説サイト  〜ソフト苛めからハード拷問まで〜
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小説(短編・中編) [ 12作品 ] 

長編小説 [ 9作品 ]

小説:優美子 [ 2作品 ]

小説:女王様 [ 6作品 ]

小説:正当拷問自白法 [ 3作品 ]

小説:女子高生 [ 9作品 ] 

小説:ガーディアンセンター [ 1作品 ]

>>連載中
■ 「そこにある昼月」 : 女子高生シリーズ
 ついに男子が反旗を翻す。狙うは弱気で可憐な女子生徒。女尊男卑の立場逆転なるか?
   →鬼畜度:★★☆☆☆

■ 新作
 08.05.10up 「皐月トラブル」 : 小説(短編・中編)
 08.05.01up 「雨上がりの道」 : 長編小説
 08.04.09up 「彼女こそが世界」 : 小説(短編・中編)
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▽ suzuro様
         
スケッチブック  

▽ エッグ様 (URL
 
 辺りは再び怒声に包まれた。
 黒木は感情を剥き出しにして宮田を押し退けると、美里に掴みかかった。声を荒げ、
「てめえ、ふざけてんのか! 見せしめが嫌ならやるしかねえんだよ!」
 と、目をギラつかせる。
 肩を掴まれた美里は顔を顰めた。黒木から視線を逸らす。しかしそれでもなお、彼女の返事は変わらなかった。
「……できません。したくありません。」
 その言葉で黒木はますます感情を露わにし、右手を振り上げた。
「じゃあ、死ねや!」
 拳は美里の顔面目掛けて振り下ろされた――


 彩香は顔を真っ赤にしていた。
 湧き上がる感情が全身から滲み出てきている。しかしその矛先は、今は男子たちにではなく隣にいる紗希に向けられているようだった。
 紗希は無表情のまま彩香の口を塞ぎ、その腕を背中の方へと捻り上げていたのだ。
 引き止める紗希の意図が分からないためか、彩香は激しい抵抗を見せる。しかし塞がれた口からはもごもごと小さな音がわずかに漏れるばかりだった。関節まで決められているため、身動きすらまともに取ることができていない。
 彩香はふり返り、鋭い眼光で紗希を睨みつける。しかし、紗希の表情はとても穏やかだった。紗希は彩香と目を合わせ、にっこりと微笑む。彩香は虚をつかれたのか、その瞳を白黒させる。
 しばらくして聞こえてきた音――それによって、彩香の荒い息遣いも次第に静まっていった。
 やがて紗希は彩香から手を放し、人差し指を自分の口に当てて再びにっこりと笑う。彩香はムッとしたままではあったが、既に紗希の意図は理解できているようだった。事の成り行きも大体想像ができたのだろう。それ以降、彼女が感情を荒立てることはなかった。
 再び、二人はそっと壁の陰から顔を覗かせた。


 ――ドスンという鈍い音とともに、低い悲鳴が響く。
「ぐはぁっ!」
 黒木は背中から砂の上に倒れ込み、その腕は美里がしっかりと握っていた。その光景を見れば、美里が黒木に一本背負いを見舞ったのだということくらいは一目瞭然だ。間髪入れず、彼女は呼吸を見失って青ざめている黒木の首にするりと腕を絡ませる。チョークスリーパーの形だ。そのままググッと力を込める。
 黒木がもがく。口から舌が突き出し、涎が零れていく。彼の顔は次第に赤くなり、その身体は徐々に痙攣してくる。
 他の男子たちは突然の出来事に呆気に取られたのか、ただその様子を見ていることしかできていなかった。
「――ごめんなさい。」
 美里の冷静な声が小さく響く。そして彼女は、黒木の喉に喰い込んでいる腕に瞬間的に強い力を込めた。
 黒木の全身が一気にだらりと垂れ下がる。黒い瞳がぐるりと白く反転する。
 美里が手を放すとともに、彼の身体は仰向けのまま地面に崩れ落ちた。
 みるみるうちに黒木のズボンの股部分が濡れ広がっていった。

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 俯いたまま美里は声を絞る。
「あ、あの……ダブルエスって……?」
 その言葉を最後まで聞くことなく、黒木は言葉を重ねる。
「サヤカとサキのことだよ、このボケが! あいつらのやってること、お前もいつも見てんだろが!」
 高岡が「惚けんなよ!」とさらに彼女を威圧する。他の男子たちも厳しく彼女を睨みつけていた。
 彼女は困惑した表情で、疑問を震える口から漏らす。
「……知ってます。でも、それと私と、あの……どういう関係が?」
 しかしその言葉は、却って男子たちの怒りに火をつける結果にしかならなかったようだ。
 群集がさらに大声を上げる中、先ほど拳を壁に叩きつけた宮田が冷静な声で彼女に告げる。
「見せしめだよ……。この意味、分かる?」
 卑猥な含み笑いを浮かべながら、彼は美里の頭をポンポンと軽く叩く。その言葉を聞き、美里は強張った表情のまま身を硬くした。
「いつもの俺たちの痛み、味わってもらうからな。」
 と、黒木。美里は今にも膝から崩れ落ちてしまいそうなほど震えていた。
 そこへ再び宮田が口を挟む。
「……と、言われると怖えよな? そこでだ……」
 その言葉を機に、男子たちは一斉に身の毛もよだつような嫌らしい微笑を零し始めた。
 宮田は言葉を続け、美里に取引をもちかけた。彼女が告げられた内容は、彩香と紗希の卑猥な写真を撮影してくるというものだった。しっかりと顔が写っていることを条件として提示された。


 紗希がぐいと彩香の手を引く。
 耳をそばだてるあまり、彩香が校舎の陰から身を覗かせてしまいそうになっていたからだ。
 彩香が小声で問う。
「ねえ、今の聞こえた? あいつら、何て言ったの?」
 紗希にはその言葉がしっかりと聞こえていたようだ。しかし彼女は彩香の問いには答えず、依然としてその様子を黙って見ているだけだった。


「間違っても奴らにチクったりすんなよ。」
 そう言って宮田はようやくその拳を校舎の壁から離す。同時に、黒木も美里の顎から手を放した。宮田は「分かったら行け」と言い放つと美里に背を向ける。他の男子たちも口々に捨て台詞を吐きながら、ぽつりぽつりと教室に向かって歩き始める。
 その時、ふいに美里が口を開いた。
「……嫌です。」
 思わぬ言葉に、全員の視線が再び美里へと注がれる。耳を疑ったのか、男子たちはざわめく。
 美里は先ほどまでとは打って変わり、毅然とした態度で男子たちを見つめていた。
「今、何つった? あ?」
 顔を近付け、宮田が威嚇する。しかし、美里の表情が変わることはなかった。

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「――美里?」

 彩香が呟く。紗希は無言のままでコクリと頷いた。
 美里と呼ばれた女子生徒は二人のクラスメートだ。彩香とも紗希とも特に親しい間柄というわけではなかったが、顔を合わせれば挨拶を交わすし、休み時間になれば話をする。自分から責めに加わることは一度もなかったが、瀕死遊びにも毎回見学者として参加していた。
 近からず、遠からず。彼女たちとはそれくらいの関係であった。
 背は小さい。小柄な紗希とほぼ同じくらいの身長だ。スタイル抜群の彩香とは対照的に、彼女は典型的な幼児体型であった。胸やヒップの膨らみもそれほど目立たない。漆黒の艶やかな髪ではあるが、その髪型は流行を意識している風ではない。目鼻立ちは整っているが、どちらかと言えば美人というより可愛らしい雰囲気をもつ女子生徒であった。
 彩香と紗希の目の先にはその美里と、彼女を取り囲むように徒党を組んだ男子数人が映っていた。その数は六人。宮田、黒木、高岡、篠崎、末松、都村。無論、彼らもまた二人のクラスメートであった。
 彼らの目はあからさまに威嚇の色を湛え、一人一人の口からは数々の暴言が吐き出されていた。
「死ねよ、てめえ!」
「うぜーんだよ! 何とか言えよ、ボケが!」
「犯すぞオラ! それとも今すぐ死ぬか? あぁ?」
 飛び交う男子の罵声に早くも我慢の限界を迎えたのか、彩香の拳がぐっと固く握られる。それに気付いた紗希は彼女に視線を向けることなく、手だけで制す。身体を震わせる彩香に気を配る様子を見せつつも、紗希は美里と取り巻きの男子たちを冷静に見つめ続けているようだった。
 にじり寄る男子たち。ある者は憎しみの眼光を向け、ある者はその口元に薄ら笑いを浮かべている。美里はじわじわと校舎の方へと追いやられ、やがて壁を背にして足を止めた。
 彼らの中のリーダー格である宮田が彼女を脅すように腕を勢いよく振り上げ、彼女の耳の横を掠めて壁にその拳を叩きつける。美里の表情は青ざめ、肩は小刻みに震えていた。その様子を見ながら彼は美里にずいと顔を近付けると、
「何で呼び出されたか分かってんだろ? あ?」
 と、ドスの効いた声で静かに口を開く。
 美里はその声に一層身体を大きく震わせながら、上擦った声で「いえ……」とだけ答える。それは今にも消え入りそうな声だった。しかしその反応が、却って彼らの怒りという名の油に火を注ぐ。先ほどより一段と大きな罵声が辺りを包み込んだ。
 そんな中、逆上しきった表情の黒木が横から近付き、彼女の顎をぐいと持ち上げる。
「ダブルSのクソどもだよ! 知らねえなんて言わせねえ!」
 

 陰から覗いていた彩香がその言葉にピクリと反応する。
 紗希は唇を噛み締めた彩香にちらりと目を遣り、首を少し横に振った。「まだその時ではない」という合図のつもりだったのだろう。
 今にも飛び出していきそうな勢いを見せていた彩香は、さらに強く拳を握り締める。
 紗希の表情は変わらなかった。ただじっと、瞬き一つせずに彼らを見つめていた。

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 拳は深くめり込んでいた。
「うぅ……ぐふぅ……」
 彩香と向かい合っていた男子生徒は、力なく彼女の脇をすり抜けて倒れ込んだ。身体をくの字に曲げ、黄色味がかった液体と吐瀉物を口から零している。ピクピクとその身を痙攣させるその男子を見下ろす彩香の表情は、これ以上ないほどの輝きを湛えていた。
 甲高い歓声が教室中を包み込む。
 彩香と男子を取り巻いていた女子生徒たちのうちの一人が「八分五秒!」と声高に叫ぶ。彩香はその言葉を聞くと同時に、口を大きく開いて歓喜の声を上げた。
 瀕死遊びの形式を変えてから、今回が彼女の最高記録だった。感情表現が豊かな彼女が跳びはねて喜んだのも無理はない。
 いつものように、倒れた男子を他の女子たちが取り囲み始めた頃、ふと彩香に耳打ちする女子がいた。
「……ちょっと、いい?」
 彩香が視線を声の方へと移す。その声の主は紗希であった。愉悦に浸っていた彩香にとっては、急に呼びかけられたことが鬱陶しく思えたのかもしれない。彼女はあからさまに表情を顰めると、半ば投げやりな態度でそれに応えた。
「何よもう。せっかくいいところなのに――」
「時間がないの。急いでくれる?」
 彩香の言葉を遮るように、紗希は彼女の声に言葉を重ねる。紗希の瞳には冗談の一つも許さないほどの切迫した緊張感が漲っていた。彩香の表情が一気に引き締まる。
「分かった。」
 とだけ彩香が答えると、紗希は彼女の手を引いて教室の外へと足を急がせた。


 彼女たちは、この瀕死遊びというゲームに熱中していた。しかしゲームとは名ばかりで、実態は女子たちによる男子いじめそのものであった。
 この事態に教師は厳しく指導をしてきたが、根底からの解決にはまだ至っていない。
 私立麻美大嶋学園にはクラス替えがない。そのため、その危険な遊びもまたその形を変え、新学期を迎えた現在でもクラスの男子たちを苦しめ続けていた。


 二人が向かった先は校舎裏だった。
 滅多に使われることのない空き教室の並ぶ校舎の裏手だ。普段なら人の気配すら感じることのない場所である。しかし今日は事情が違った。低い怒声のようなものが幾重にも重なり、校舎裏を賑わわせていた。
 彩香が怪訝な表情を見せる。
「一体、何なの?」
 問いかける彩香の質問に答えることなく、紗希は校舎の陰からそっとその声のする方へと視線を向けていた。彩香は「もう」と呆れた声を上げる。彼女はその膨れっ面を隠そうともせず、紗希に重なるようにして同じ方向をそっと見つめた。

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●KATSU あだち充 [小学館]
 4巻:腹にパンチ、咳き込み
 〃 :腹にパンチ

●CYNTHIA_THE_MISSION シンシア ザ ミッション 高遠るい [一迅社]
 2巻:腹に(?)、胃液
 〃 :腹に発勁、内臓破裂、吐血、流血、死
 3巻:腹にパンチ
 4巻:腹に蹴り、胃液、気絶
 〃 :腹に裏拳
 〃 :腹に肘打ち、苦悶
 5巻:腹にパンチ
 6巻:腹にパンチ、胃液、吐血、苦悶
 7巻:腹に蹴り
 〃 :脇腹にパンチ、胃液、苦悶
 8巻:脇腹に発勁、吹き飛び

●D.Gray-man ディー・グレイマン 星野桂 [集英社]
 7巻:腹に蹴り、吹き飛び

●ゼロイン いのうえ空 [角川書店]
 vol.1:腹に銃で峰打ち、連打、胃液、吐血、気絶
 〃  :腹に後ろ回し蹴り、気絶
 〃  :腹に肘打ち、吹き飛び
 vol.3:腹に銃で峰打ち、吹き飛び
 〃  :腹に棒(?)打、吐血
 〃  :腹に銃で峰打ち
 vol.4:腹に銃で峰打ち、胃液、吐血、気絶
 vol.6:腹に蹴り、吹き飛び
 vol.7:腹に銃で峰打ち、吹き飛び

●ごてんばチアリーダーズ 宗我部としのり [少年画報社]
 2巻:腹に裏拳


※注
 ・全て女から男への腹責めです。
 ・記載したキーワードは全て、私の見た限りの独断です。
 ・逆リョナ情報をお持ちの方は、当サイトまたは「逆リョナ@wiki」のメールフォームよりご連絡ください。
  (尚、「逆リョナ@wiki」に掲載する情報は、匿名をデフォルトとさせていただきます。)
  → 逆リョナ@wiki
suzuroさんのスケッチブックの一部を大公開です。
今回お願いして、suzuroさんが日頃描かれているイラストを送っていただきました。
※画像をクリックすると、拡大します。携帯の人はこちら→拡大1 拡大2

cg_raku01.jpg    cg_raku02.jpg
suzuroさんコメント…
スケッチブックということで、言ってしまえばただの落書きなんです。
普段は、SM、逆リョナ、リョナ、エロ、女の子、男の子、いろんなジャンルの絵を描いています。
こんな絵を載せる場を作っていただいた、ryonazさんに感謝いたします。

作品を気に入ってくださった方は、ぜひ拍手のクリックをお願いします。

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『ピューと吹く!ジャガー』という漫画があります。
ご存知の方も多いかと思いますが、うすた京介氏の書かれているギャグ漫画です。
その中の「五月病」を取り扱った作品を見ていて何となく思いつき、何となく書きました。
軽いタッチの不条理ストーリーです。
最近はドギツイ作品ばかり執筆していましたので、ちょっと頭休めにと。
頭が弱いので、時々こうやって脳みそをユルユルにしないと滅入ってしまいます(苦笑)
気軽に読んでいただければ幸いです。

GWも終わりました。
皆様におかれましても、どうぞ五月病にはお気をつけくださいませ。

逆リョナ@wiki」作成にご協力下さっている方々、本当にありがとうございます。
皆様から頂く情報には、大変助けられています。個人レベルではやはり限界がありますので。
情報は随時募集しています。ぜひ、お気軽にお寄せください。よろしくお願いいたします。

次回は「女子高生シリーズ」続編を掲載予定でおります。
よろしければ、どうぞお付き合いください。
今後とも、Black Onyx [ブラックオニキス]をどうぞよろしくお願いいたします。

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 苦しさから目に涙が溜まってくる。
 ひとしきり吐き終えた時、ふと後ろに気配を感じた。ふり返ると、そこには真紀が燃えるような瞳で僕を見つめていた。僕は身体を無意識に縮こめる。
「殺してほしい?」
 真紀が恐ろしい言葉を吐く。僕は大きく身震いをすると、首を何度も横に振った。しかし彼女は「ふーん」と気のない返事をする。そして後ろから僕の髪をぐいと掴むと、今度はトイレの壁に僕の顔面を叩きつけ始めた。
「があっ!」
 たまらず倒れ込みそうになる。真紀はそんな僕の腹に膝を突き立て、身体を支える。
「ぐぅえっ!」
 再び髪を掴まれ、瞳を覗き込まれる。真紀の口元は緩み、「ふふ」と声を漏らす。彼女が右手を振り上げるのが見えた。パンという音とともに、僕の顔が横に振られる。打たれた左の頬はすぐに熱を帯びてきた。さらに右側からも打たれる。それから何度も、彼女のビンタは右から左から容赦なく飛んできた。僕はただひたすら「ごめんなさい。ごめんなさい」と情けない声を上げ続けた。
 しばらくすると、真紀はふと僕の髪から手を放す。僕は彼女から与えられた苦痛で身体中がだるく感じられてきていた。
 真紀はしばらくぼうっと天井を見つめ、それからふと僕を見る。先ほど部屋で見たのと同じような、うつろな瞳だった。彼女がポツリと口を開く。
「ちょっと、何してるの?」
 予想外の言葉に僕は呆気に取られる。
「もう、嫌らしいんだから。女の子のトイレ覗くなんて最低。」
 ――?……いや、あの……え?
「早く出ていってよ、もう。」
 あまりにも不条理な言葉だと思った。しかしながら、この時の真紀は確かに僕の知っている真紀だった。さっきとは打って変わった明るい声だ。僕は彼女の手から解放されたことに安堵し、ふうっとため息を漏らす。「ごめん」とだけ言い残し、すぐさまトイレから出る。やがて中から、彼女の機嫌のよい鼻歌が聞こえてきた。
 ――何だったんだろう?……一体、彼女って?
 疑問は尽きなかった。しかしながら、真紀がいつもの様子に戻ったことで僕は安心感に包まれていた。しかしながら、彼女から受けた攻撃は未だ僕を苛み続けていた。彼女がトイレから出てくる頃には、僕は身体の限界から布団の上に倒れ込んでいた。真紀はそんな僕の姿を見て心配そうな声を上げる。
「どうしたの? 大丈夫?」
 僕にはもうツッコむ気力すら残っていなかった。身体中が痛む。
「大丈夫だよ。ただ、ちょっと休んでいい?」
「あ、うん。もちろんそれはいいけど。本当に大丈夫?」
 言いながら真紀は僕にそっと布団をかける。側に横になり、僕の頭を撫でる。心配そうな顔をしながら、彼女はしきりに僕の傷痕を擦る。彼女にその優しさが戻ってくれただけで十分だった。しかし身体の痛みは消えない。僕は正直に答える。
「……うん。ただ、何だか身体が重くなってきちゃって……」

「そっか……。もしかしたら五月病なのかもね。」
 
 ……僕は彼女がますます分からなくなった。



END

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「うーん……」
 と真紀は唸り、再び憂鬱そうな表情を浮かべる。
 幸い今日は日曜日だ。休日になるとデートに出かけるのが僕たちの日課になっていたが、気分が悪いのなら無理をする必要はない。
「今日はゆっくり休もうか。」
 そう言って、僕は布団を用意する。真紀は深いため息を吐き、また窓の外に目をやっていた。
 真紀の症状が分からず、僕は不安に駆られる。
「……やっぱり、季節柄なのかな?」
 無意識に出た独り言だったが、真紀はそれに反応する。
「季節柄って? どういうこと? こういう気分になる病気があるの?」
「いや、病気って言うかさ……」
 そこまで言って僕はふと先ほどのことが気がかりになった。真紀のあの態度の変容は一体何だったのだろう。いきなりあんなことをするなんて。そう思うと、僕は口を開かずにはいられなかった。
「あの、さ。さっきは何であんなに怒ったの?」
「え? 何が?」
 真紀の反応に僕は驚く。
 まるでさっきまでのことをすっかり忘れてしまったかのように、彼女は平然とした表情を見せていた。
「何って。さっき僕を蹴ったでしょ? すごく怒って。聞いただけだったよ、五月病じゃないかって――」
 そこまで言った時、真紀は唐突に立ち上がり、僕の方へと向かってきた。
 顔を掴まれ、僕は自分の敷いた布団の上に倒される。
「え? ちょ……あ、もごっ……」
 僕の口に真紀の足が捻じ込まれる。喉につかえる感触に不快感を感じ、たまらず吐き気を催す。彼女はやがてその足を僕の口から引き抜くと、躊躇なく僕の顔面を踏み付けた。噴き出す鼻血とともに、痛みが込み上げてくる。思わず僕は唸る。
「……今、何て言ったの?」
 その真紀の声音は明らかに威嚇の様相を呈していた。
 僕は何が何やら分からず、ただその痛みに悶え苦しんだ。彼女の足の下から滑り出すと、僕は顔面を押さえて身体を転がした。
「ぐ……あぁ……」
 呻き声を上げる。それでも真紀の猛攻は収まらない。転がる僕を甚振るように、何度も身体中を蹴り上げる。僕は理由が分からないまま、ただ身を丸めていた。
「ご、ごめん。僕、何か気に障ること言った? だったら、謝るから!」
 しかし真紀の蹴りはなおも続く。しかし、この時僕には一つだけ分かったことがあった。「五月病」だ。さっきからこの言葉に彼女は反応し、普段は決して見せることのない凶暴性を発揮している。嫌な思い出があるのかもしれない。何かトラウマがあるのかもしれない。
 そんなことを考えていた矢先、真紀のニードロップが仰向けに倒れた僕の腹を見事に抉った。
「ぐ……うええぇ!……あぐぅ……」
 強烈な不快感が僕を包み込む。内部から突き上げてくる嘔吐感に耐え切れず、僕は必死でトイレへと駆け込んだ。
「どこ行くんだよ、おら!」
 真紀の罵声を背中で聞きながら、僕は便器に顔を突っ込み、喉の奥から勢いよく吐瀉物を吐き出した。

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